就職先を「大手」と「ベンチャー」で迷っている大学生の息子。親としては「大手」に行ってほしいですが、生涯年収で考えたらほぼ変わらないのでしょうか?
就職先を選ぶ際のポイントとして企業規模が挙げられますが、従業員数の多い「大手」と少数精鋭で働く「ベンチャー」のどちらを選ぶか迷う方もいるでしょう。大学生の息子が就職する場合、大手とベンチャーではどのくらい生涯年収に違いが出るのでしょうか。 そこで今回は、企業規模別の生涯年収について調べてみました。ベンチャー企業に就職する魅力についてもご紹介しますので、参考にしてみてください。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
企業規模別の生涯年収は?
独立行政法人 労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2023-労働統計加工指標集-」が厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を加工して作成したデータによると、大学卒業で定年(60歳)まで働いた場合の男性の生涯賃金(カッコ内は退職金)は企業規模別に以下の通りです。 ・企業規模計:2億4740万円(1890万円) ・1000人以上:2億8750万円(2130万円) ・100~999人:2億3460万円(1670万円) ・10~99人:1億9850万円(1370万円) 同調査から、従業員数1000人以上の大手企業に就職した場合の生涯賃金は、中小企業など従業員数1000人未満の場合と比較して、5290~8900万円多いことが分かります。 多くのベンチャー企業が中小規模であることを考えると、大手企業へ就職した方が生涯年収の面では有利になる可能性があるでしょう。
ベンチャー企業へ就職する魅力
企業ごとに違いがあるため一概にはいえませんが、「大手」と「ベンチャー」に大きく分けて比較した場合、ベンチャー企業には以下のような魅力がある点も知っておくといいでしょう。 ・実力が評価されやすい 年功序列やキャリアによって昇進・報酬が決定される傾向にある大手と比較して、ベンチャー企業は実力が評価されやすいといわれています。 就職したばかりでも、アイデアや提案が認められて重要な仕事を任される可能性もあるでしょう。実力や貢献度次第では、会社の成長に比例して昇進・年収アップにつながるかもしれません。 ・ベンチャーならではのやりがいがある 限られた人員でプロジェクトを進めていくため、一人ひとりの業務の幅が広がり、さまざまな知識やスキルを身に付けられる可能性もあります。経営者との距離が近く、自分の提案に耳を傾けて素早く実行される経験ができるなど、ベンチャーならではのやりがいを感じられるでしょう。 ・福利厚生が充実している場合がある 社員のニーズに合わせてユニークな福利厚生を用意しているベンチャー企業もあるようです。例えばリモートワーク・フレックスタイム制を積極的に採用していたり、アニバーサリー休暇・サバティカル休暇など社員がリフレッシュできる休暇を付与していたりする場合もあります。