【巨大地震で下水道が止まったら】能登半島地震の被災者も困惑した“災害用トイレ” 全国で「常備している人」は約2割にとどまり
■悪臭しにくい「マンホールトイレ」平和公園・マツダスタジアムでも整備 石川県珠洲市から、直線距離で550キロ離れた広島県の広島市。 南海トラフ巨大地震が起きた場合、県内では最大震度6強の揺れ・最大2m近くの津波が想定されている。広島市を含む沿岸部では、能登半島の被災地と同様、液状化リスクが高い。 こうしたなか、広島市は下水道に直結する「マンホールトイレ」の整備を進めている。マンホールの上に、簡単な便座やパネルを設ける仕組み。汲み取り式のような悪臭がしにくいメリットがある。 広島市内で初めて「マンホールトイレ」が設置されたのは、2006年。その後、平和公園・マツダスタジアム・小中学校など計200基以上が取りつけられ、2024年は公立高校の24基が加わった。能登半島地震を受け、地元住民の防災意識も高まっているという。今後も新たな設置場所が予定されていて、それぞれで下水道ルートの耐震化に着手している。 一方で「マンホールトイレ」が訓練以外で使われた実績は、現時点でゼロ。広島市下水道局の担当者は「大規模な災害が起きた時、どのように使ったらいいかを訓練で知ってほしい」と話す。 ■「飲料水・災害用トイレは最低3日分用意」能登半島を教訓“災害への備え” 巨大地震が起こった場合、高い確率で下水道が止まります。「飲料水」と「災害用トイレ」の準備は最低3日・できれば1週間分用意しておくことをお勧めします。(※筆者の体験に基づいたものです) 水はあらゆる場面で必要となります。飲み水だけでなく、手など汚れた場所を洗い流す・身体を拭く・歯を磨くなど多岐にわたります。能登半島地震の場合、風呂・シャワーに、少なくとも1週間は入れなかった被災者がほとんどだったと思います。また、冬場の空気は乾燥しているため、のどが乾きやすくなります。 避難所生活が長期化すると、新型コロナウイルス・インフルエンザなどの感染症にも気をつけなければいけません。身体を清潔にしておくためにも、消毒液・ウエットシートなどを効果的に使いましょう。
防災用品は、子どもやお年寄りの人数・避難所で過ごすかどうかによって変わってきます。巨大地震はいつどこで起きるか分かりません。いま一度「災害の備え」を話し合ってみてください。
中国放送
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