「介護の始まりは自覚がないことも…」母の介護を経験した書店員がおすすめする「介護やケアの入り口で役立つ本3選」
『ツレがうつになりまして。』の作者が親の介護に直面!
『親が子どもになるころに てんてん、介護問題に直面す。』細川貂々著(創元社) 「老後のことをちゃんと考えてね」って言ってあったのに! ある日行方不明になり、隣の市で保護されそのまま入院となった父。退院までに施設を探すことになった細川貂々さんですが、「親がどれだけ資産をもっているか」が分かりません。そうこうするうちにツレ(夫)の両親の老々介護もままならなくなってきて…。 介護の形は三者三様、どんな方法が合うのかその都度考えてやっていくしかありません。あらかじめ親に確認しておきたいことなど、貂々さんの奮闘から学ぶことはたくさんあります。
「介護ってこうして始まる」を共に体感
『ポンコツ一家・ポンコツ一家2年目』 にしおか すみこ著(講談社) ボンテージ姿の女王様キャラで一世を風靡した、ご存知お笑い芸人にしおかすみこさんのご著書。数年ぶりに戻った実家で発見(!)したのは認知症の症状が現れ始めたお母様。 変化していく親の姿に戸惑いながら現実をひとつ一つ受け止め、時に怒り、時に悩み、「ああ介護ってこうやって始まっていくんだよね」と、にしおかさんと共に体感しているかのよう。テンポのよいユーモアあふれる文章でぐいぐい引き込まれる、笑って泣けるエッセイです。
介護が始まる前に読んでおきたい先輩ケアラーの声が満載
『「家族介護」のきほん 経験者の声に学ぶ、介護の「困り事」「不安」への対処法』 NPO法人 介護者サポートネットワークセンター・アラジン著(翔泳社) 家族の介護をするかたたちのサポートを20年以上続けているNPO法人アラジンのもとに寄せられたリアルな相談事例が紹介されています。 仕事との両立、家族やきょうだい間での意見の違い、ケケアマネジャーとの意思疎通など、介護の悩みは介護する人・される人だけの課題ではありません。 介護の正解はひとつではなく、「こんな方法もあるよ」「こう考えてみるのはどう?」と様々な角度からのアドバイスが掲載されています。どのページから読んでも読みやすく、先輩ケアラーたちの声にホッとする一冊です。 介護ビギナーで相当のんきに構えていた当時の私にも、そっと渡してあげたい本ばかり。ぜひお手に取ってみてください。