専門家「病気のリスクを上げる可能性」水道水に“永遠の化学物質”PFAS…健康に影響は
■健康に影響は 住民から不安の声も
吉備中央町では去年、27人が自主的に血液検査を行いました。その結果、全員が環境省が公表する血中濃度を大幅に上回っていました。 京都大学大学院医学研究科 原田浩二准教授 「急性の影響ということは今のところ出ないだろうと考えています。ただ、これが色んな病気に、そのリスクを上げる可能性はある。例えば脂質異常症や甲状腺疾患などいくつかあります。それに対して、米国アカデミーズからは、血中濃度を調べて、それに合わせてリスクを予防していこうと」 家族3人で暮らす阿部さん一家は13年前、この地に引っ越してきました。 事前に検査を受けた 阿部順子さん 「(吉備中央町は)いい人が多いのと、自然が豊かという2つがすごく素敵だなと思うところ」 検査を受けた結果、家族全員が国の平均値越え。順子さんが気になるのは、移住後3回の流産を経験していることです。 事前に検査を受けた 阿部順子さん 「第1子の時の妊娠・出産と全く違ったので、おかしいなというふうに思いました。もしそれ(PFAS)が原因なのであれば、これは二度とあってほしくないと」 一部の研究では、PFASと流産の関連性が指摘されていますが、現時点での評価は定まっていません。町は管理している業者に1億円を超える損害賠償を請求しています。 吉備中央町 山本雅則町長 「企業の方に(費用の)請求はするが、その企業も対応できるかどうか。であれば、もっと広い観点からPFOS(PFASの定義の中の1つ)を製造した企業等まで含めて、国がある種の対応をして頂かないと、自治体だけでは難しい」 環境省では、血液検査について、PFASの健康への影響が定かではないことなどから、国として行うことは「現在のところない」としています。 さらに、現在PFASを含む物質の廃棄については「ガイドラインはあるが義務的な拘束力はない。今後、知見を収集してから義務化などを検討したい」としています。
テレビ朝日