「日本酒と言えば大吟醸」はもう古い…大の酒好きが「一周回っておいしい」と絶賛する日本酒とは
■日本酒はワインと違い、「縦置き」がベスト また、「大吟醸」「純米吟醸」など、吟醸と名の付くものは火入れをしていても冷蔵庫に入れておいた方が良いです。こうした繊細なお酒は、味が変化することで全体的にバランスが崩れやすいためです。また、フルーツのような華やかな香り、爽快な味わいを楽しむためには、冷やした方が良いです。 酒屋やスーパー、コンビニに常温で並んでいる日本酒は、常温での保管で問題ありません。ただし、日本酒にとって紫外線は大敵です。 また、温度変化が少ない方がいいので、戸棚や押し入れなど冷暗所で保存するのがおすすめです。目安としては20℃くらいが理想です。 なお、日本酒はワインのように寝かせて保存をして良いかと聞かれることがありますが、縦にした状態での保存がベストです。理由は、日本酒は酸化によって味が変化しやすく、横に寝かせると空気に触れる面積が大きくなってしまうからです。 ただし、一般家庭の冷蔵庫のスペースを考慮すると、何本も縦置きするのは現実的に難しいです。私は、空気に触れるよりも温度の影響の方が大きいと考えているので、どちらかと言えば常温の縦置きより、冷蔵庫の横置きをするようにしています。 ■日本酒通の楽しみ方は「あえて寝かせる」 ◯開封後 開封後は、生酒から一般的なお酒にかかわらず、どんな日本酒でも冷蔵庫での保存をおすすめします。開封後は酸化が進み、味が変化し始めるからです。開封をしてからであれば、生酒は1週間以内、それ以外は1カ月程度で飲み切るのが理想です。 ただし、酸化は必ずしも悪いことではありません。極端にいうと、最終的には紹興酒のように色がつき、醤油っぽい独特の味わいになりますが、お酒によっては「あえて寝かせて」味を変化させると味わい深くなる場合もあります。 味に角が取れたり、旨味が増したりと味が乗って美味しくなるものがあるのが、日本酒の面白いところです。熟成肉に旨味が出てくるのと同じイメージです。 もちろん酒蔵としては、出荷のタイミングが狙った味わいになるので、早めに飲んでほしいところですが、消費者としては自分好みに味を変化させる楽しみもあります。 私の飲み仲間には、あえて生酒を常温で自宅に置いて熟成させるツワモノもいます。また、酒屋でもあえて寝かせて熟成した秘蔵のお酒を持っているお店もあります。 まずは、自分で1本買ってみて、少しずつ飲みながら自身の好みの熟成具合を探ってみると、日本酒の楽しみが一気に広がるのではないでしょうか。