新型コロナワクチン定期接種「自己負担は2500円」安価にワクチン接種が可能に 東京都
東京都医師会がほかに訴えた内容とは?
編集部: 会見では、ほかにどのようなことが述べられたのでしょうか? 小幡先生: 会見では、東京都が抱える医療の課題についても言及されました。医療機関の財政については「今、相当な物価高騰で医療機関もかなり苦労している。その対策として東京都が89億円の補正予算を組むことが決まり、一時的ではあると思うが救われることに感謝している」と述べています。 また、今後の医療について「来年2025年には、団塊の世代の方が全て75歳以上の後期高齢者になる。その対策として、地域包括ケアシステムの必要性をずっと訴えてきた。これから複数の疾患を抱え、なおかつ心身の衰えや認知症が発症し、外来に通院できる方が減少して、自宅で在宅医療を受ける方がどんどん増えてくる」との認識を示しました。その上で「私どもはそうした方々を24時間見守る体制を作ろうとしている。訪問診療の先生だけが頑張れば救えるという問題ではなく、本当に必要になってくるのが地域の中小の民間病院。もちろん大学病院や都立病院も必要だが、そういった医療機関は三次救急で高度な医療を担っているので、なかなか複数の病気を抱えて介護が必要な高齢者を受け入れる対象にはならない。これまで以上に必要性が高まってくるにもかかわらず、その地域を支える病院が大変な経営危機に陥っている」と課題意識を述べました。
今回のニュースへの受け止めは?
編集部: 今回のニュースで東京都医師会の尾崎会長が「新型コロナウイルスワクチンの定期接種の自己負担は2500円程度に抑えたい」という考えを示しましたが、これに対する受け止めを教えてください。 小幡先生: 尾崎会長の見解は、特に高齢者や基礎疾患を持つ方々にとって、ワクチン接種が命を守るためにどれほど重要であるかを強調しています。新型コロナウイルスの変異株が次々と出現する中で、ワクチン接種は感染の重症化を防ぐ最も効果的な手段の1つです。これにより、医療機関の負担軽減にもつながり、全体的な医療体制の維持が可能になります。 政府や自治体においては、接種会場の増設や予約システムの改善、移動が困難な方々への訪問接種など、より多くの国民が安心して接種を受けられる体制を強化することが求められます。また、ワクチンに関する正確な情報の提供や、副反応への対応策を明確にすることで、接種への不安を軽減する努力も重要です。これらの対策を通じて、尾崎会長の呼びかけに応じ、多くの方がワクチン接種を受けることで、感染症の拡大を効果的に抑えることが期待されます。 ワクチン接種の推進は、個人の健康を守るだけでなく、社会全体の安全を確保するための重要なステップです。