２区、力走する青学大・黒田朝日（カメラ・宮崎　亮太）

◇第１０１回東京箱根間往復大学駅伝競走往路（２日、東京・千代田区大手町読売新聞社前スタート～神奈川・箱根町芦ノ湖ゴール＝５区間１０７・５キロ） 【詳細データ】往路成績 　“花の２区”で３人が区間新記録をマークした。創価大の吉田響（４年）は１３人抜きと激走。２０２０年大会で１時間５分５７秒の日本人歴代最速記録を出した東洋大の相沢晃（４年、現旭化成）を抜く、１時間５分４３秒で区間２位となった。東京国際大のリチャード・エティーリ（２年）も１２人抜きし、１時間５分３１秒で区間トップ。青学大の黒田朝日（３年）は１時間５分４４秒の区間３位で、いずれも２１年に東京国際大のケニア人留学生Ｙ・ヴィンセント（２年、現ホンダ）が樹立した１時間５分４９秒を上回った。 　レースを終えた青学大・黒田朝の表情はすがすがしかった。２年連続でエースが集う２区を任され、「気持ちの部分では完全に満足とはいかなかったですけど、今日できることはやったかな」と大粒の汗をぬぐった。 　昨年は歴代４位の１時間６分７秒で区間賞を獲得。今回は「僕が行く区間かなと思っていました」と当日変更で弟・然（１年）に代わって出場した。黒田朝を含め３人が区間新記録をたたき出す高速レースの中で、昨年を上回る１時間５分４４秒。７人を抜き去る快走だった。弟・然も「今年は偵察要員が僕の役割でした。朝日の走りはすごかった」と兄に尊敬のまなざしを向けた。 　原監督の声でスイッチが入った。「『後ろから（創価大の）吉田くん来てるよ』っていうのが唯一、頭に入った。強いのは分かっていたので、できる限り負けないように」と燃えた。エースが流れをつくり、青学大の往路優勝へつなげた。（大中　彩未） 　◆黒田　朝日（くろだ・あさひ）２００４年３月１０日、岡山市生まれ。２０歳。玉野光南高３年時に全国高校総体３０００メートル障害２位。２２年、青学大地球社会共生学部に入学。箱根駅伝は前回大会の２区で当時の日本人歴代２位の記録で区間賞。今季は出雲３区で３位、全日本４区で区間新。自己ベストは５０００メートル１３分２９秒５６、１万メートル２７分４９秒６０、ハーフマラソン１時間１分３９秒。１６６センチ、５０キロ。