金属恵比須、プログレ×食イベント〈紅葉狩〉レポート公開 新作『邪神〈ライヴ〉覚醒』の最速試聴も
プログレッシヴ・ロック・バンドの金属恵比須が、神奈川・白楽の京風会席料理店「清流庵」とコラボし、金属恵比須の楽曲「紅葉狩」をイメージしたお料理でもてなす異色のイベント〈茶室で嗜む紅葉狩〉が11月17日(日)に開催されました。 プログレ京料理という前代未聞のコラボが実現した同イベントでは、金属恵比須ファンだという店主による京料理「紅葉狩」が供されたほか、12月11日(水)にリリースされるライヴ・アルバム『邪神〈ライヴ〉覚醒2024』の最速試聴も行なわれました。 今回、FMラジオ局やweb、雑誌などで活躍する注目のフードライター、芦谷日菜乃によるイベント・レポートが到着。飲食店や日本茶専門店を中心に取材するフリーライターで日本茶インストラクターの資格も有する一方、国立音楽大学附属高等学校・音楽科を卒業、その後進んだ文系大学ではエレキギターに熱中する音楽ラヴァ―でもある俊英・芦谷が、前代未聞ながらも楽しく盛り上がった当日の模様を伝えています。 [イベント・レポート] 2024年11月17日に神奈川県にある会席料理店・清流庵(せいりゅうあん)で、金属恵比須がイベント「茶室で嗜む『紅葉狩』」を開催。清流庵が提供する京料理「紅葉狩」とともに、金属恵比須の代表曲「紅葉狩(第三部・第四部)」を鑑賞しました。こちらは12月11日に発売するライヴ盤「邪神〈ライヴ〉覚醒」音源。その初公開としても盛り上がりました。 イベントの様子をライター・芦谷が、レポートします。 金属恵比須は、1991年結成のプログレッシヴ・ロック・バンド。「音楽だけでなく、やることなすことプログレッシヴ」というテーマのもと、独自の音楽性とジャンルの垣根を超えた活動でファンを魅了しています。 当日はヴォーカルの稲益宏美さん、ベースの埜咲ロクロウさんが参加者を出迎えました。 「清流庵」は京会席料理店「京都田ごと光悦舗」で5年間修業した店主・清水ハルカさんが令和6年6月6日に東急東横線・白楽駅そばにオープン。旬の食材をふんだんに使用した会席料理をアットホームな空間で提供しています。 サルスベリやセンリョウが植えられた風流な茶庭をゆったりと眺め、手水鉢で手を清めてお茶室に入りました。 お茶室で心落ち着いたのも束の間、「それでは、“紅葉狩”を流します」と清水さんが満面の笑みでCDをセットしました。 「紅葉狩」は長野県に古くから伝わる鬼女伝説から着想を得て2004年に発表されました。20年以上にわたりライヴでも披露されている人気曲です。今回イベントで公開された「紅葉狩(第三部・第四部)」はピアニスト大和田千弘さんを迎えたライヴバージョン。クラシック、現代音楽、ジャズ、プログレなど幅広い音楽性を身に付ける大和田さんならではのピアノアレンジが聴きどころです。 曲が再生されると、稲益さんの力強いハイトーンがまっすぐに響き渡り、大和田さんのピアノがおどろおどろしくかつ艶っぽく、幅広い音域を駆け回っていました。さらに、一音一音がリッチさを感じさせるギター、踊るようにダイナミックなドラム、うねりながらバンドを支えるベースにも心を奪われます。一度だけでは音を追いきれず、何度でも聴きたくなるような音楽の渦に圧倒されました。 そんな「紅葉狩(第三部・第四部)」の流れる中、運ばれた京料理「紅葉狩」は、秋らしさがつまった雅な一皿。じゃがいもの揚物で作られた紅葉や、そうめんで栗を包み揚げた「いが栗」など、細部までこだわり抜かれていました。ふっくらした身に塩加減が絶妙な「秋刀魚の塩焼き」も絶品でした。 音と、見ため、香りと味わい。音楽と食によって「紅葉狩」を五感で感じられた時間に、痺れました。 (ちなみに、企画段階では「紅葉狩」ではなく、楽曲「ハリガネムシ」をテーマに、おにぎりにひじきをあわせて提供してはどうか、という案もあったそう。それもそれで気になりますが、紅葉狩でよかった……何せハリガネムシとは寄生虫のことだから……) その後は洋間に移動し、レコードを聴きながら乾杯。 「音楽が好き。金属恵比須が好き」という共通項のもと集まった面々、話題が尽きることがありません。初対面とは思えないほどの盛り上がりとなりました。 参加者からは、「これまでライヴで見ていた金属恵比須のメンバーが目の前で普通にビールを飲んでいるのがなんだか不思議(笑)」、「お店の雰囲気が親しみやすく素敵」など、イベントを満喫した声が上がっていました。 金属恵比須を応援したいという気持ちからイベントを提案した清流庵の清水さんは感無量の様子で語りました。「会席料理は食材を見立てて表現したりと、決して難しいものではないということも感じていただけたら嬉しいです。お客さまの楽しそうな笑い声が聞こえてきて、よかったです!」 参加した金属恵比須メンバー、埜咲さんは「リスナーとしてもプレイヤーとしても沢山聴いた『紅葉狩』。その新たな側面を店主さんやファンの方々と共に体験できたことは、紛れもなく“プログレドリーム”でありました!」と興奮気味に話しました。 プログレと京料理をかけあわせた金属恵比須の新たな挑戦は、大成功のもと幕を閉じたのでした。 新アルバム『邪神〈ライヴ〉覚醒2024』は2月11日にリリース予定。キーボーディスト塚田円(那由他計画、プロビデンス)、ピアニスト・大和田千弘(鳥頭)をゲストに迎えた2本のライヴ音源を収録しています。ぜひチェックしてください。 文:芦谷日菜乃 写真:芦谷日菜乃、A(集合写真)