パリ五輪で銀メダルのセーリング、有力選手輩出の学生ヨットが曲がり角 岡田、吉岡両選手が20年ぶり獲得の470級
▽加盟校の3割近くが予選不出場 一方、日本の少子高齢化を背景に、高校のヨット部も減少傾向にある。 そんな中、大会で好成績を収めている私立大は脚光浴びがちなのに加え、インターハイなどで活躍した高校生が入学を志望するのも追い風となる。 日本大学ヨット部のOBで学生ヨット界を長くフォローしている生田目恵一さんがまとめた資料によると、昨年の全日本インカレの各水域予選に出場しているのは全日本学連加盟校の3割弱に当たる31校に達した。 背景には部員不足などがあるとされ、このまま大学ヨット部は減っていくとの見方がある。全日本インカレは「将来、関東と関西の強豪私立大を中心に出場20校程度の大会に縮小するのではないか」と予想する関係者もいる。 ▽内部から改革を模索する動きも 取り巻く状況が厳しい中で、全日本学連の内部から、改革を模索する動きも出ている。 現在の全日本インカレは470級、スナイプ両クラスとも一斉にスタートして同じコースを回る「フリートレース」という方式で実施しているが、これを見直す可能性がある。参加艇数や、現在は10月末から11月初めにかけて設定されている開催時期を変えることも検討対象になり得る。
スナイプ級は1949年、470級は1973年にそれぞれ全日本インカレに導入され、この2艇種が変わることなく半世紀余り続けられてきた。 スナイプ級に関する細則には「将来の全日本学連採用艇種についても、日本ヨット界の今後の動向を踏まえて継続的に審議検討を行い、全日本学連評議会へ諮ることとする」と定めている。 艇種を変更する可能性も含め、セーリングの有力選手を輩出してきた学生ヨットが存続できるように大胆で効果的な議論が繰り広げられることを期待したい。