虎のソナタ 夢のような試合展開…待ってました 過去のデータ調べていたけど
当時は各チームに20勝投手が複数いて、その人たちが出てきたら、とにかく点が入らない。たとえば、江夏豊(阪神)が先発したら「相手は1点取られたら負け」を覚悟して戦っていたそうだ。そんな絶望的な投手が何人もいたらしい。
想像するに、歴史に残るエース級が、ものすごい投げ合いを展開していた時期なんだろう。月間打率1割台になっても仕方がない、と諦めるしかない時代だったのかも。
対して、今はどうなのか。150キロ超を簡単に投げる優秀な投手が、先発だけでなく、救援陣にもいっぱいいる。結果、点が入って喜ぶシーンは激減だ。
楽しむ時間をなくしてしまう、異常な貧打戦ばかり。昨夜も重苦しい気分でグラウンドを眺めていたら、終盤に夢のような展開が待っていた。隣のトラ番キャップ・新里公章が言うのだ。
「僕らが心配したって、仕方がないじゃないですか。勝てばいいんです」
いつも楽観的なトラ番キャップには救われる。そう、勝てばいい-。