虎のソナタ 夢のような試合展開…待ってました 過去のデータ調べていたけど
(セ・リーグ、阪神8-1中日、12回戦、阪神7勝3敗2分、27日、甲子園)得点するのが、こんなに簡単だということをすっかり忘れていた。 タイムリー! タイムリー! バンザ~イ! バンザ~イ! さあ、六甲おろしや! 甲子園のマンモススタンドで歓喜を爆発させる虎党を見て、心の底から思うのだ。 やっぱり野球は打って、点が入るから楽しいんだな…と。 試合前、編集局に電話をしたら、当番デスク・川端亮平が出てきた。 「ちょうど今、阪神の月間打率が2割を切ったのはいつ以来か、必死で調べてました。先輩、1966年のシーズンって覚えてますか?」 覚えているわけがない。虎ソナ、まだ4歳。 「後に2064安打を放った虎のレジェンド藤田平さんが市和歌山商から入団した年です」 と言われて、思い出すはずもない。 月間1割台! とんでもない貧打をクローズアップするには、十分過ぎるデータだ。その66年以来の危険水域に近づいていた。恐怖に駆られて川端は記録をさかのぼったらしい。「ただし、この苦労が無駄に終わることを心から祈ってますよ」とも付け加えていた。 デスクの願いも、打率が下がることではなく、点がいっぱい入ることなのだ。川端の涙ぐましい努力を知っていたから、緻密な調査が実ってほしいと思った瞬間もあったが、やっぱり無駄になって乾杯だ。 先ほど川端が名前を出した藤田平さんが、2軍監督から1軍監督に昇格したばかりの時期に質問したことを思い出した。1995年夏のこと。 --こんなに点が入らないチームって、過去にありましたか? 実はその直前のタイガースは、8試合戦って、そのうち6試合が零封負け。残り2試合も負けていて、トータル8連敗。すさまじいまでのゼロ行進。今、その様子を書きながら、壮絶に悲しい記憶だ。 「昔はもっと点が入らなかったぞ」 藤田当時監督は、あんまり驚いていなかったのが印象的だった。 冒頭の川端情報では「月間打率1割台の時期を知る方」だから、説得力は確かにある?! 当時高卒ルーキーだから、貧打の責任は藤田選手には全くなかったと思うが。