確定拠出年金の「持ち運び制度」ってなに? 中途退職や転職してもできる資産移換 100時代の歩き方 イマサラQ&A
Q 確定拠出年金は「持ち運べる」と話題になりました。どういうことですか A 確定拠出年金だけでなく、ほかの企業年金などの私的年金は、中途退職したり転職したりした場合、それまで積み立てていた分を新しい制度に持ち運べるケースが多いのです。ポータビリティーと呼ばれます Q どんなケースがありますか A 企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入していた会社員が中途退職して専業主婦になった場合、個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)に資産を移換できます。移換後、掛け金を払い続けることもできますし、掛け金はもう払わず、資産の運用を指示する立場(運用指図者)になることもできます。イデコの加入者が企業型DCを実施している企業に転職した場合も資産を移換できます。転職・中途退職の前後の加入状況によって、手続きなどが異なります Q 誰かが移換手続きをしてくれるのですか A たいていのケースは自分自身で申し出て、移換手続きに入ります Q 自分で、ですか A 企業型DCの加入者が転職や中途退職などで加入資格がなくなったケースでは、半年以内に自分でイデコやほかの企業の企業型DCなどに資産を移換しないと、国民年金基金連合会に自動移換されてしまいます。資産の運用がストップし、税制優遇も受けられなくなり、自分に不利益が生じます Q ところで、企業型DCなど企業年金を実施する体力がない中小企業向けの制度があるそうですね A iDeCo+(イデコプラス)です。企業年金を実施していない従業員300人以下の中小企業が対象で、イデコに加入している従業員のうち同意した加入者に企業が掛け金を上乗せして拠出します。企業年金より企業の事務負担が軽いとされます。企業の掛け金は損金として扱われるので、節税にもつながります Q 企業の規模にかかわらず、定年後の暮らしの安心は欲しいですものね (回答者 社会保険労務士 當舎(とうしゃ)緑)