今年４月のＪＲ草津駅前での募金活動の様子（あしなが育英会提供）

　親を病気や災害などで亡くした遺児たちの進学を支援する「あしなが学生募金」の街頭活動が、19日から滋賀県草津市のJR草津駅前で、20日から近江八幡市のJR近江八幡駅前で行われる。活動に参加する県内在学の遺児学生は「1円でもいい、その1円が誰かの進学につながる。ちょっとした応援の気持ちで募金してもらえたらうれしい」と支援を呼びかけている。 【写真】看護師を目指して頑張る伊藤さん 　本年度の高校奨学金の申請者は過去最多の3487人となったが、資金不足で半数以上の1949人が受けられなかった。県内では49人が申請し、28人が受けられなかった。 　値上がりする学費に加え、物価高も遺児家族に大きな影響を与えている。あしなが育英会が7月に実施した奨学生の保護者を対象としたアンケートでは、9割近くの保護者が「収入が減った」もしくは「変わらない」と回答した。 　街頭活動は、奨学金を受ける学生たちでつくる「あしなが学生募金事務局」が実施する。 　参加する聖泉大4年の伊藤涼華さん（22）は小学3年の時に父を亡くし、奨学金を活用して大学に進学した。今は来年2月の看護師試験に向けて勉強に励んでおり、「奨学金が無ければ進学をあきらめて就職していたかもしれない」と振り返る。 　同じ境遇の友人があしなが育英会を知らなかったことから、「進学や自分の夢をあきらめてほしくない。少しでも多くの人に知ってほしい」と話す。 　寄付金は、半分を国内の遺児のために、半分をサハラ砂漠より南のアフリカ49カ国の遺児のために使う。 　県内では、草津駅前（西口、東口）で19日、20日、26日、27日に、近江八幡駅（南口、北口）で20日、27日に行う。いずれも正午～午後5時まで。寄付の問い合わせはあしなが育英会寄付課（0120）916602。