万一の時に”変身” 救命胴衣になるリュック開発 災害時に心強く/兵庫・丹波市
医療救急バッグを製造しているメーカー「マルスバッグ」(兵庫県丹波市柏原町柏原)が、万一の時に救命胴衣に変身するリュックを開発した。普段はリュックとして使いながら、災害時には命を守る資材となる。同社代表の細川晋さん(64)は「避難途中に、あふれた川の水に流された痛ましい事例が過去にありましたが、このバッグがあれば、豪雨時、避難所に行く時に心強いと思う」と話している。 名付けて「LIFE BOX」。ボックス状の形をしたリュックで、救命胴衣に使われる素材のポリエチレン樹脂発泡体をリュック内部に仕込んでいる。厚みのある板状の同発泡体が2枚入っており、救命胴衣に変身させた時には、1枚が背中側に、もう1枚が胸側にくるという仕組み。 救命胴衣に変身させなくてもリュックのままでも、溺れた時にリュックを抱えていれば水面に浮く。このため、溺れている人を見つけた時にはリュックを投げて救うことができる。また、リュックを背負っていれば、背後から自動車などが衝突した時に緩衝の役目を果たす。
細川さんによると、抱え込むことで水に浮き、救命につながるバッグは市販されているという。さらに一歩進めて救命胴衣に変身するバッグを開発した。数分で救命胴衣に変身させられるが、「購入いただいたお客様には、指導させていただきます」と話している。 大きさによって男性用、女性用、子ども用の3タイプがある。男性用で幅36センチ、高さ44センチ、厚み19センチ。4万円程度。