GB350からエクステリア全部変えた! 高コストな燃料タンクまで新作したGB350Cの開発者に聞く
外観デザインはほぼ全て一新した
東京モーターサイクルショーに参考出品されたホンダの新型モデル「GB350C」は、価格や発売時期について未発表だが、現場に開発者がいたのでキャッチ&インタビュー! 簡単ではあるが、どこがどう変わっているのか聞いてみた。 【写真】ホンダ新型「GB350C」のディテールを写真で解説
エンジンとメインフレーム、ホイールなどはGB350と一緒だが……
ホンダは、3月15日に大阪モーターサイクルショーで、3月22日に東京モーターサイクルショーで、そして4月5日には名古屋モーターサイクルショーで、それぞれのエリアで新型モデルGB350Cを一般向けに初公開した。 GB350シリーズは、インドで生産されるハイネスCB350/CB350RSの兄弟モデルとして、2021年に日本生産&独自の車名を得て国内で発売された人気モデル。発売時はG350が55万円、GB350Sが59万4000円とされた価格も人気を後押しし、販売台数ランキングでクラストップをひた走っている。 今回登場したGB350Cは、インドでCB350として発表されたものの国内版。“C”の名はクラシックを意味すると言われ、スタイリングはシリーズ中でも最もクラシカルなものとされた。パッと見でもかなりの部品がGB350から変更されているようだが、一方でエンジンや車体のベースは共通しているように見える。 マシンのスペックや価格、発売時期については未発表だが、東京モーターサイクルショーでは開発者に短いインタビューをすることができたのでお伝えしたい。 >>>お話してくれた人──【GB350Cプロジェクトリーダー 笹澤裕之さん】CB1300シリーズの動力担当やNCシリーズの開発など近年は大型バイクに携わる機会が多いという。入社直後は初代ジョルノにも関わった。
外装に関わる部分はほぼすべて新作
──待望の国内登場となりました。具体的にはGB350/Sからどこが変わっているんですか? まず、エンジン本体とメインフレーム、そしてホイールとブレーキコンポーネントはGB350と同じです。スポーティなGB350Sよりも、GB350寄りの構成になっています。そのうえでGB350CはGB350から、外観に関わる部分をほぼ全て新作しました。スチール製の前後ディープフェンダーに始まり、サイドカバーや燃料タンク、さらにはタンデムグリップやシートも専用設計。GB350と見比べたときに1か所でも「ここは同じなのか」と思われてしまうのが嫌だったんです。 ──燃料タンクにはラバーも追加されていますが、これはニーグリップしやすいようにというものでしょうか? その通りです。ほかにも細かいところでは、LEDヘッドライトの中身はGB350と同じですがケースと装飾リングは新作。メーターも本体のユニットはGB350と同じですが、パネルデザインとメッキリングを専用品にしています。テールランプもマウント位置関係などを変えています。 ──サスペンションカバーが追加されたのも外観上の特徴になっています。 これもクラシカルな外観を表現するために必要という判断でした。あるとないとではかなり印象が変わります。 ──フロントフォークカバーに車体と同じ色が乗るだけでもかなり印象は違いますよね そこは大事ですね。これに比べるとGB350はまだ現代寄りのデザインになっています。 ──エンジン本体は同じということですが、マフラーの見た目が変わっています。出力特性に影響はあるんでしょうか? また、出力特性はGB350とGB350Sで異なりますが、どちら寄りになるのでしょうか。 マフラーはエキゾーストパイプまでがGB350と同一で、サイレンサーをコンパクト化するとともに水平に近いマウントとしました。これは音質を少しこもった上質なものとするのが狙いですが、音質と出力特性、法規対応の全てを満足させるのは大変でした。出力特性でいうと、ベースとしたGB350から体感できる違いはほとんどないと思います。 ──操縦安定性についてはどのように? 車体についてはメインフレームがGB350と同じで、大型フェンダーの採用にともないリヤフレームを変更して剛性を整えました。フェンダーの大型化やステー類の追加で車重は少し重くなっていますが、これによって挙動がしっとりするなどメリットもありました。ハンドリングはホイールサイズも同じGB350寄りとなっています。全体としては、スポーティなGB350Sに対し、クラシカルなGB350とGB350Cという棲み分けになっています。 ──シートは前後分割型になりました。これはインド仕様でハイネスCB350(GB350)が採用しているものと同じでしょうか? 新たに設計したシートです。タンデム側まで含めると全長で5cm程度長くなっています。また、シートの座面がやや前傾していたGB350に対し、GB350Cはよりフラット化になっているので、前のほうに座ったり後ろのほうに座ったりできます。着座位置の自由度はCが一番あると言えますね。これに合わせてタンデムグリップも専用部品になっています。 ──GB350の開発チームは、それぞれ自分でGB350またはGB350Sを購入する方が多かったですよね。今でも一緒にツーリングに行ったりすると聞きますし、こだわりを持って一緒に作り上げたんだなと感じます。笹澤さんもGB350Cは購入予定ですか? 自分でも購入するつもりなのですが、今は色を迷っているところです。インド仕様にもいい色があって……。 ──GB350の開発チームでは、インド出張の際に欲しいパーツを買って手荷物として日本に運んだ、なんて方もいたと聞きます。メーカー勤務ならではの裏技ですね(笑)。正式発表をお待ちしています!