フィリピンの2世、日本国籍回復 沖縄県の親族と歓喜
【コロン共同】太平洋戦争中にフィリピンのブスアンガ島で沖縄県出身の父を反日ゲリラに射殺され、無国籍で残された日系2世アカヒジ・サムエルさん(82)が念願の日本国籍回復を果たした。居住地の同島コロンを15日、初訪問した沖縄県のいとこ3人から伝えられ、歓喜を分かち合った。 サムエルさんは昨年12月、支援団体などの招きで沖縄県を訪れ、親族に初対面して歓待を受けた。今年4月に那覇家裁沖縄支部に就籍を申し立て、家裁が15日、許可を弁護士に通知した。沖縄の親族も家裁に陳述書を出して後押ししていた。 既に戦後79年。日系人支援団体は沖縄の親族の全面協力で国籍を回復できた成果を強調。他にも存命の2世約50人が国籍回復を求めており「このままでは手遅れになる」として早期の救済措置を訴えた。 1928年にフィリピンに渡った漁業者の父、赤比地勲さんはコロンでフィリピン人の妻との間にサムエルさんら3人の子を授かった。強い反日感情の中、一時は家族で竹林に隠れて暮らし、日本人であることを隠すため母の姓を名乗ってきた。