「過去問で相性のいい学校」「びっくり合格」のウソ 焦る時期にこそ考えること 桜井信一の攻める中学受験
今まで悩み続けた平面図形、出来なくて復習を繰り返した相似の問題。相似を見つけるというより、この辺の比を知りたいから、そこに関係する相似がないかと考えるという逆からの発想になる。自分ではあまり気づいていないのに知識が横でつながり、知識の重量が減るのです。この分岐点が受験より前に来れば志望校に合格。後に来れば他校に進学して仕切り直しということになるのです。
解いて解いて解きまくる。それでは見えないことがたくさんあります。焦る時期だからこそ、知識を確実に積み上げたい。そうすると、じっくり振り返ることも重要です。
そして、何事も慣れが必要。特に過去問は時間配分と配点の積み上げを知っていないと満足な結果になりません。入学試験を受けるのは本人ですから、塾の講師が知っていてもダメなんです。親が知っていてもダメ。本人が習得していないと本番で右往左往して終わります。「だから言ったのに」は何の意味もない声かけになるのです。
筆者紹介
桜井信一(さくらい・しんいち) 昭和43年生まれ。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。進学塾では娘の下剋上は難しいと判断、一念発起して小5の勉強からやり直し、娘のために「親塾」を決意。最難関中学を二人三脚で目指した結果、自身も劇的に算数や国語ができるようになる。現在は中学受験ブログ「父娘の記念受験」を主宰、有料オンライン講義「下剋上受験塾」を配信中。著書に、テレビドラマ化されたベストセラー『下剋上受験』をはじめ、『桜井さん、うちの子受かりますか』、馬淵教室と共著の『下剋上算数』『下剋上算数難関編』などがある。