輪島市立9小学校、3校に集約案…児童減や市中心部への就学希望増で
能登半島地震で被害を受けた石川県輪島市は28日、市立小学校9校を3校に集約する再編案を公表した。12月以降に保護者や住民への説明会を行い、今年度内に再編計画をまとめる方針。 【写真】地震で崩れたままの校門を通り輪島中に登校する児童ら。建設中の仮設校舎が完成するまで、輪島市内の6小学校の児童たちが通う
再編案は学識者らで作る委員会が昨年10月から検討し、今月20日に市に答申した。児童数の減少、市中心部の小学校への就学希望者の増加などに加え、地震で被害を受けた校舎の修繕などに多額の費用が見込まれることを踏まえた。
案では、中央、西部、東部の3地区に1校ずつ置く。中央地区では、現在は6校が仮設校舎で授業を行っており、新校舎を建設して統合する。西部地区の2校は地震によるとみられる杭基礎の破断が確認され、新校舎を建設するか修繕して使うかを検討して1校に集約する。東部地区に唯一ある町野小は隣接の中学校と連携し、小中一貫校化などを検討する。一方、3地区に1校ずつある市立中学校については、統廃合は困難とした。
市内の小、中学生は11月1日時点で777人で、昨年同時期の1100人から大幅に減った。坂口茂市長は28日の記者会見で、再編案について「内容を尊重し、保護者や教育関係者に話を聞きながらベストの案を作っていく」と述べた。