今は空港や美術館にも 知っていますか?たかぶった感情を落ち着かせる小さなお部屋の存在
さりげない思いやり
介護の現場で出会った人から「幸せになる方法」を教わった、と語る介護福祉士でイラストレーターの高橋恵子さん。今度はあなたに、イラストと言葉でメッセージを届けます。 【画像を見る】空港に設置されたカームダウン・クールダウンスペース
「カームダウンスペース」または「クールダウンスペース」と呼ばれる 小部屋をご存知でしょうか? 認知症や発達障害、自閉症がある人たちが、感情がたかぶるなどした場合、 落ち着けるために設置された空間です。 最近では、空港や美術館など公共施設での設置が増えてきました。 私自身、感覚過敏があるため、 大きな音を聞いたり、突然照明を落とされた場合などは、直後には感情がたかぶり、 その後の数日は、記憶や方向感覚、睡眠にも混乱が続きます。 そんな特性を持っているので、カームダウンスペースを見つけると、 その時は利用はしなくても、なにかあれば使わせてもらおうと、気持ちに余裕が生まれます。 そしてじつは、駅や町なかのベンチにも、 同じような安心を感じ、実際に助けられています。 カームダウンスペースやベンチに共通するのはきっと、 困っているかもしれない誰かへの思いやり。 せめて私も、誰かから手渡されたこのさりげない思いやりを、 少しは返していけるような日々を送りたいものです。
高橋恵子