坂本安司投手

　第９３回選抜高校野球大会（毎日新聞社など主催）が１９日、阪神甲子園球場（兵庫県西宮市）で開幕する。春夏通じて初めて甲子園に出場する県勢の大崎は、優勝を目指して最終調整に励む。ベンチ入りが予想される選手の顔ぶれを紹介する。（この企画は中山敦貴が担当します） 　◇気迫の投球を誓う　坂本安司（あんじ）投手（２年） 　ピンチでも冷静沈着で、制球力抜群のエース右腕。昨秋の九州大会では３試合で完投。明豊（大分）との準決勝では、延長十二回の激闘にも疲れを見せず、テンポの良い投球で２失点に抑えた。 　球速は最速１３９キロだったが、一冬越えて「１４０キロは出ていると思う」と自信をのぞかせる。センバツ初戦の相手は九州大会決勝で勝利した福大大濠（福岡）に決まったが、「特に何も思わない」。来たるべきエース対決に向け、黙々と投げ込みを重ねている。 　感情を表に出さない性格だが、グローブの内側には「氣（き）持ち」と大きな刺しゅうを入れている。「自分が試合のリズムを作り、チームを勝たせたい」。甲子園でも気迫の投球を誓う。 　◇しっかり投手支える　調祐李（しらべ・ゆうり）捕手（２年） 　高校通算本塁打はチーム最多の１１本と頼れる４番。好きな言葉は「剛毅（ごうき）果断」で、三振覚悟で豪快にバットを振る。昨秋の九州大会準々決勝では六回に貴重な勝ち越し打を放ち、センバツに大きく近づく４強入りに貢献した。 　エースの坂本安司投手（２年）とは中学時代からバッテリーを組み、中３で全国大会にも出場。全国のレベルを知って刺激を受け、甲子園を夢見て大崎に飛び込んだ。センバツ出場決定後も暴投、捕逸を防ぐ「ブロッキング」などの練習に余念がなく、「しっかり坂本を支えたい」。 　全体練習後、一人で黙々とバットを振り込む。「つなぐ打撃も大切だけど本塁打を打ちたい。気持ちいいので」。笑顔で成長を誓う。 〔長崎版〕