今夏の高温、埼玉でも水稲への損害多発 17市町で特別災害に指定 高温での指定は2年連続 大発生したカメムシで規格外になる被害も カメムシ被害は対象外 JA担当者「農薬の助成をお願いしたい」
埼玉県は、6~9月の高温による14市3町の水稲被害災害について、県農業災害対策特別措置条例に基づく特別災害に指定した。速報値で被害面積は70・62ヘクタール、被害金額は約1900万円との見込みを発表した。 大調査の結果を公表、被害は832カ所に 特定外来生物クビアカツヤカミキリ「さらなる対策必要」
特別災害の対象はさいたま市、熊谷市、行田市、加須市、春日部市、鴻巣市、上尾市、桶川市、久喜市、北本市、三郷市、蓮田市、吉川市、白岡市、伊奈町、宮代町、松伏町の計17市町。被害を受けた農業者に対し、県と市町が種苗および肥料購入費の2分の1ずつを補助し、融資の実質無利子化などの支援も行う。高温による特別災害指定は2年連続で、昨夏の被害は17市8町、計1369ヘクタールで約4億5400万円に及んだ。 一方で、今夏は越冬したカメムシが大発生し、県内でも水稲への損害が多発。カメムシによる被害は特別災害の対象とならないため、自民党県議団(田村琢実団長)が11月15日に緊急要望書を大野元裕知事に提出した。 行田市や加須市を管轄するほくさい農業協同組合(JAほくさい)の担当者は「管内では(高温による)白未熟粒は1割ほどで、カメムシによる規格外がほとんど。各地域での防除を取りまとめているが、行政には農薬の助成をお願いしたい」と訴えた。
開会中の県議会12月定例会では渡辺聡一郎県議(自民)が災害の指定要件に適用すべきだと問いただし、横塚正一農林部長は「県農業共済組合に(補償の)手続きが円滑に行われるよう働きかける。稲作経営がしっかり継続できるよう支援したい」と答弁した。