24年度銅電線需要見通し、2%増の63万2000トン。3年ぶり前年超え
日本電線工業会は22日、2024年度の銅電線需要見通しを発表した。各分野の合計量は63万2千トンで前年度比2%増。電気機械向けや輸出向けの伸びがけん引。総量については3年ぶりに前年超えへと転じると見ている。 分野別の見通しは通信向けが8千トンで前年度比5・8%増。光ケーブルへの置き換えが進みメタルケーブルの需要は大きく変わらないと見ている。電力向けは4万7千トンで同5・3%増。設備更新や再生可能エネルギー関連の需要で前年度の水準を上回るとした。 電気機械向けは12万7千トンで同3・4%増。大型半導体工場関連の需要に期待する。電気機械向けでの用途別では重電用と家電用は横ばいで予測。電子・通信用は微増、電装品用は増加すると見ている。自動車向けは9万3千トンで同1・7%減。半導体の供給制約はほぼ解消されると見るが、世界的に需要が見込まれるバッテリーEVの生産・販売体制の遅れや、国内外の購買力減速で自動車生産台数が減少すると見て前年割れとした。 建設・電販は30万2千トンで同0・8%増。再開発案件や大阪・関西万博関連などで需要は堅調だが、24年問題を含めた人手・資材不足を考慮しほぼ横ばいで予測している。その他内需向けは3万9千トンで同0・5%増。民間設備投資が前年並みと見てほぼ横ばいとした。輸出向けについては1万6千トンで39・1%の増加。世界経済は減速が予測されるが電力需要の伸びを見込む。また脱炭素社会に向けた再エネ関連設備や、電力安定供給に寄与する連系線整備などの投資に期待している。 23年度の見込みについては61万9500トンで前年比85トンの減少とした。