新語・流行語年間大賞「ふてほど」に不満噴出。なぜ大谷翔平の「50-50」は選ばれなかったのか
「50-50」ではなかったことに反発する声も
SNS上などのコメントを見ても、「ドラマの存在は知っていたが『ふてほど』って意味わからず初めて聞いて検索した」という声もあり、ドラマを視聴していたとみられるファンからですら理解を得られなかった様子。 さらに、SNSには「今年は明らかに大谷君の「50-50」だっただろ」、「毎年のように野球界の言葉が選ばれているのに今年に限って『50-50』じゃないの?」など、トップ10に名を連ねていた「50-50」が年間大賞を逃したことに反発する声も少なくなかった。
選考委員が“空気を読んだ”可能性も
実は2021年から23年の3年間は、野球界から新語・流行語の年間大賞が選ばれていた。21年は大谷翔平の「リアル二刀流/ショータイム」、22年は村上宗隆(ヤクルト)の「村神様」、そして23年は阪神・岡田彰布監督(当時)の「アレ(A.R.E)」である。 ただ、その3語はいずれも、野球ファン以外にはなじみがないという意見が多かったのも事実。そんな背景もあって、今年は“空気を読んだ” 選考委員が、過去3年の言葉以上に浸透していたと思える「50-50」をあえて避けた可能性も考えられそうだ。
数字を伸ばしすぎたことも要因?
また、大谷が「50-50」を凌駕する「54-59」までその数字を伸ばしたことも要因の一つになったかもしれない。 もし大谷が最終的に、「50本塁打&52盗塁」などギリギリで達成していれば、「50-50」と呼んでも違和感はないが、あまりにも打ちすぎた、走りすぎたがために「50-50」の数字がやや違和感を醸し出す結果になったとも考えられる。 いずれにしても、毎年のように規格外のパフォーマンスを披露する大谷だけに、来季は「20勝&50本塁打」など、我々の想像をはるかに超える新しい言葉を流行らせてくれることに期待したい。 文/八木遊(やぎ・ゆう) 【八木遊】 1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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