映画『ファイアバード』監督&主演俳優にLiLiCoが直撃! 旧ソ連領初の同性婚承認を導いた作品の裏側とは?
「実は姉が日本の小学校で英語を教えていたんです」
LiLiCo ちなみに皆さん、日本は初めてでした? ザゴロドニー 初めてです。日本の印象といえば、ソニーやPanasonicのテレビ、インターネットで見るポップカルチャーのイメージくらいしか持っていなかったんですが、実際に訪れてみるとまるで別世界にいるようですね。すっかりお寿司にハマりましたよ。特にイワシ(笑)。 レバネ監督 私は2回目です。7~8年前に初めて来たときは、富士山に登り、京都と東京に滞在し、温泉にも行きました。本作のセカンドユニットの撮影監督がロンドンに住んでいる友人なんですが、日本人なんですよ(※浅沼ダンクロウ)。彼にそのときの旅程を助けてもらいました。 そのときから感じているのは、物理的ななにかではなく、日本における精神性みたいなところに自分が呼応していることです。本作の日本版ポスターひとつとっても、オリジナル版とは全然違うけど、作品を正しく伝えるために特別に作ってくれてますし。なにごとにもプレゼンテーションを丁寧にこだわるところは、とても共感しています。 プライヤー 私は3回目の来日になります。前回はほとんど時間がとれなくてすぐに帰国しなければならなかったので、今回の来日は楽しみでした。とにかく食べることが好きなので、食事に出かけることが最高の楽しみ。 監督と同じことになってしまいますが、どこもかしこも細かいところにまで気を配られていることには驚かされますね。たとえばスターバックスでも、めちゃくちゃ丁寧にサーブしてくれますし、包装パッケージも美しいですし丈夫。 ザゴロドニー そうそう。どこも清潔で作りがすごい。びっくりしました。なんせ、日本のイメージが、父が初めて買ってきたソニーのテレビくらいだったから。そのとき父は給料の3~4カ月分をつぎこんだんですが、「きっとこのテレビは自分より長生きする」って言ってましたよ(笑)。 プライヤー 実は10歳年上の姉が日本の小学校で英語を教えていたんです。彼女はそのときの生徒さんと文通をしていたんですよ、エアメールで。そのとき、きっとテレビ電話は日本が最初に作るんだろうな、なんて、未来的なイメージも持っていましたね。 レバネ監督 私はやはり映画から日本の印象をもらってます。黒澤明監督の作品や宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』など、自然とスピリチュアルなもの、それにテクノロジーがある国、と。自然とITが特徴のエストニア人としては近しいものを感じています。 取材・文:よしひろまさみち 『Firebird ファイアバード』 公開中 (C)FIREBIRD PRODUCTION LIMITED MMXXI. ALL RIGHTS RESERVED / ReallyLikeFilms