住民税は地域によって違うって本当? 最も安い自治体はどこ?
「住む地域によって住民税が違う」と聞いたことがある人は多いでしょう。住民税は居住する都道府県と市町村に対して納付する税金ですが、会社員の場合は給与から天引きされることが多く、内訳をよく知らないという人も少なくないかもしれません。 この記事では、個人住民税の概要や標準税率について詳しく紹介します。個人住民税が安い自治体は標準的な自治体と比べてどれぐらいお得なのでしょうか。本記事で確認しましょう。
個人住民税の目的と標準税率
住民税とは、その地域に住む人が行政サービスにかかる費用を分担する目的で納付する地方税です。市区町村や都道府県がおこなう消防やゴミ収集・処理、教育などのサービスは、基本的に住民税でまかなわれています。 住民税には個人住民税と法人住民税があり、このうち、1月1日に住所がある市町村(都道府県)に対して個人が納付するのが個人住民税です。個人住民税は市町村民税と道府県民税をあわせたもので、一定の所得がある住民が平等に負担する「均等割」と前年の所得額に応じて負担する「所得割」にわかれており、それぞれに税率が決まっています。 個人住民税の標準税率は、均等割が市町村民税3500円と道府県民税1500円の合計5000円、所得割が市町村民税6%と道府県民税4%の合計10%です。均等割の金額は、防災施策にかかわる財源確保のために、2014年度から2023年度分まで市町村民税500円、道府県民税500円が引き上げられています。 また、全国20の指定都市に住所を有する人は所得割の内訳が異なり、道府県民税が2%、市民税が8%です。
住民税は地方団体が独自に税率を設定できる
標準税率は、あくまで基準です。財政上その他の必要があると認める場合には、地方団体が独自に税率を設定できます。例えば、宮城県では個人住民税の均等割のうち、県民税にみやぎ環境税1200円が独自に課税されています。 そのため、均等割額は市民税3500円と県民税2700円(標準税率1500円+みやぎ環境税1200円)を合わせた6200円です(2023年度以前)。 2024年度以降は、個人県民税に含まれるみやぎ環境税1200円を残して、市民税と県民税に課税されていた防災施策に関する復興財源、合計1000円分が廃止されるため、均等割の金額は5200円になります(ただし、2024年度から国税である森林環境税1000円が個人住民税として課税されるため、合計額は変わりません)。 宮城県に限らず、多くの自治体が標準税率と異なる税率を定めています。