KKR、富士ソフトTOBを1月9日まで延長-価格9451円維持
(ブルームバーグ): 米KKRは19日、富士ソフトに対して実施中の株式公開買い付け(TOB)について、期限を延長すると発表した。米ベインキャピタルが18日、会社側同意の有無にかかわらずKKRを上回る価格でのTOBを実施する意向を示していた。
訂正公開買付届出書によると、KKRは19日までとしていたTOB期限を2025年1月9日まで延長する。買付価格の1株当たり9451円に変更はない。ベインはKKRのTOBが撤回または不成立となるのを待って手続きに入ると公表していることから、案件の決着は先送りとなった。
延長理由について、KKRは発表資料で、TOB開始後にベインの提案内容の変更があり、19日時点の富士ソフトの株価がKKRのTOB価格を上回って推移していることや、応募状況を踏まえて株主に判断機会を提供する目的だとしている。
KKRは段階的にTOBを実施しており、すでに株主総会で重要提案への拒否権を持つ3分の1超を保有している。実施中の第2回TOBでは応募が19.25%(現在の持ち分と合わせて53.22%)に満たない場合はすべての買い付けを行わないとしていた。
ベインは18日午前、富士ソフトに対する株式公開買い付け(TOB)に関連し、同社からの賛同を前提条件としない形に改めると発表。1株当たり9600円で1月下旬か2月上旬をめどにTOBを開始するという。19日の富士ソフト株の終値は前日比0.4%高の9810円とKKR、ベインの提案価格を上回っている。
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Takako Taniguchi