「幸せの先送り」をついしてしまう人の共通点 「やらなければいけないこと」を優先してしまう
そして、その10分を徐々に20分にしていく。もしくは10分を複数回実施する。10分のままでも大丈夫です。 このように、毎日の中に「小さな変化の時間」をつくり出し、その時間を積み重ねることで「大きな変化」につなげていきます。これが「時間複利の法則」です。 小さな変化をつくるためには、意識的に目的を変換することも有用です。 僕も目的を変換することで、小さな変化を起こして苦手を克服できたことがあります。
■苦手だった会食が変わった 以前は、仕事での会食が苦手でした。理由は会食を「仕事の手段」と考えていたからです。 仕事のためにその人と近づきたい。そのために食事に行く。こういう考えでいた時は、会食は楽しめない時間でした。いくらおいしい料理を食べても、味をあまり感じませんでした。 そんな状況を変えたいと思い、ある時から会食の目的を変えました。会食は仕事の手段(投資の時間)ではなく、相手と仲良くなるための「幸福の時間」にすることにしたのです。
仲良くなる、おいしく食べる、楽しい時間にする。そう決断しました。 すると、少しずつではありますが、会食の時間価値が変化していきました。つらいな、大変だなと感じてばかりいたのが、だんだんと「この部分は楽しかった」「ここは勉強になった」と思えるようになり、そして今では楽しくて、幸福な時間に生まれ変わったのです。相手が変わったのではなく、自分が考えを変えただけで、時間の価値が大きく変化しました。 ■時間の目的を変える
苦手だった「雑談」も、目的を変換することで克服しました。仕事の打ち合わせ前の雑談を、以前は「打ち合わせをスムーズに進めるためのアイスブレイク」と考えていて、「投資の時間」として設定していたのですが、当時は雑談が苦手でした。 でも、雑談を「相手と仲良くなるための時間」と目的を変えて以降は、雑談がグッと楽しく「幸福の時間」になりました。楽しくなったせいで、ついつい雑談が長くなってしまうくらいです。 時間の目的を変える。そして少しずつでいいから変化していく。これこそが、「役割の時間」や「投資の時間」を、「幸福の時間」に変化させる方法です。
柿内 尚文 :編集者