伊東純也、期待される日本代表復帰は「まだわからない」 今はフランスで結果を出し続けるのみ
【伊東は不慣れな1トップで「らしさ」出せず】 結果的にコネが退場したスタッド・ランスは、残り80分ほどを10人で戦うことになった。 前半は守勢にまわり、じっと耐えて0-0のまま折り返すかに思えた。しかし、試合中断のため30分以上も追加されたアディショナルタイムの前半75分、コーナーキックの流れからバフォデ・ディアキテが左足で蹴り込み、リールに先制を許してしまう。 「めっちゃきつかった。なんとか粘っていたんですけど、セットプレーで1本やられてしまった......。最後の最後で失点。ただ、チャンスも作れていなかったので、10人になってからの戦い方もあったんじゃないかとも思います」 伊東は前半終了間際の失点を悔やみつつ、攻めきれなかった自分たちの戦い方も反省した。 10人になったランスは4-4-1システムに変更し、伊東を1トップに置いた。だが、チームとして慣れないことでもあったため、ゴールまでの形を作ることができず、伊東のシュート数も2本に終わった。 「監督は『前半はがんばって守備をして、後半は攻撃にフォーカスしてワンチャンスを狙おう』と話していた。攻撃のところでうまくボールを受けてチャンスを作れればよかったですけど、ちょっと難しかったですね。裏に抜けてのワンチャンスとか、何回かミスったところもあったし」 1トップでのプレーについて伊東は苦笑いで話しつつ、センターバックを背負った形では「らしさ」を見せることは難しかったようだ。 一方、中村は72分に退いた。10人になったことで、中村はフォワード的な動きではなく中盤としてのプレーを求められ、仕掛けよりもつなぐことを意識するように言われたという。 「ゲームを組み立てるミッドフィルダー的な役割を求められて、なかなかゴールに迫るチャンスがなかった」 伊東と同じく、中村も持ち味を発揮できたとは言いがたい試合になってしまった。
伊東は試合後、自身の騒動について問われると「まだ(完全に)クリアになったわけではない。でも、昨季はフランスで静かにできましたし、ストレスなく生活できたかな。(中村)敬斗もいましたし。(クラブが)信頼してくれた」と心境を話した。 「スッキリしたか?」との質問には「特にそんなのはない」と、なんとも言えない表情を見せた。 今後は日本代表への復帰も期待されるが、「まだわからないので、とりあえずこっち(スタッド・ランス)でやるしかない」と、あくまでピッチで勝負するのみだと話した。
了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko