新米の価格「1.5倍」──高止まりナゼ?戻る? 「JAより1万円高く」…取り合いに 正しい保存方法は【#みんなのギモン】
■JAを通さない買い付けが活発化
猪子記者 「なぜ高止まりが続いているのでしょうか。コメの買い付けの大部分は、JAなどを通して行われています。ところが今年は品薄の影響で『早く新米を入手したい』とJAを通さず、集荷業者や小売店、消費者などが直接農家から買い付ける動きが活発化しました」 「実際、米どころの宮城県の農家は『今年は異常で、卸売業者や飲食店など今まで取引がなかったようなところからほぼ毎日のように連絡が来た』と言います。そして、農家から直接買い付ける際、JAよりも高めの値段で交渉を持ちかけたということです」 「ある集荷業者は『別の集荷業者が農家から仕入れた価格は、JAが農家に提示した価格より60kgあたり1万円ほど高くなったケースもあった』と明かします。こうした高値でのコメの取り合いが行われた結果、最終的に販売される値段も高くなったというわけです」
■専門家「下がっても10%ほどでは」
忽滑谷こころアナウンサー 「ちょっと前まではおコメがない、と話題になっていました。新米が入ってきて価格は戻るんですか?」 猪子記者 「コメの生産や流通に詳しい宇都宮大学の小川真如助教は『今後の価格は従来のような価格に戻ることは考えにくく、下がったとしても10%ほどではないか』と見通します」 森アナウンサー 「1.5倍になって10%下がっても、元に比べたら上がっている、ということですね」 猪子記者 「現在の高騰はそもそも、物価上昇で生産コストが上がったことによるところもかなり大きいといいます。これまでコメの価格は需要の減少が懸念される中で、なかなか上げられていなかった部分もあり、ようやく物価上昇に価格が追いついてきた感もあるそうです」 森アナウンサー 「今まで安すぎたということですね」
■農水省「今夏のような品薄は防げる」
猪子記者 「こうした中、農水省は30日にコメの生産量などを話し合う部会を開きました。そこでは、ことしのコメの生産量の見込みについて、7月時点の予測よりも14万トン増えると発表。これにより、今年の夏のような品薄は防げるとしています」 「ただ小川助教は『そもそも今回の高騰は農水省の需要予測が大きく外れたためでもあるので、すぐに業者や消費者の不安が解消されて価格が落ち着くまでには至らないのではないか』と話しています」 鈴江アナウンサー 「コメが品薄になった時には、南海トラフ臨時情報が出て災害のリスクから需要が高まった部分もありました。予測の幅も必要でしょうし、私たちも日頃から備蓄を整えることで(需要の)減少を抑えられるのかもしれないですよね」