イモラ&モナコ大苦戦のセルジオ・ペレス、レッドブルはそれでも契約延長へ? 決断の時近づく
F1第8戦モナコGPでセルジオ・ペレスは苦しい週末を過ごし、最後はクラッシュによるリタイアに終わった。しかしながら、レッドブルとの契約延長には近づいているようだ。 【動画】オープニングラップに衝撃の大クラッシュ発生! ペレスのマシンは見るも無惨な姿に|F1モナコGP ペレスは第7戦エミリア・ロマーニャGPで苦戦し8位フィニッシュ。そして第8戦モナコGPでも彼は苦しみ、予選ではまさかのQ1敗退を喫してしまうことになった。決勝レースでは不運にも見舞われ、ケビン・マグヌッセン(ハース)との接触によってクラッシュし、1周目でリタイア。結果を残すことができずに終わった。 来季に向けてレッドブルはマックス・フェルスタッペンのチームメイトをまだ確定させていないが、ペレスがエミリア・ロマーニャGP、そしてモナコGPでも苦戦してしまったことで、彼以外のドライバーを探すべきなのではないかと指摘する声が大きくなっている。 ただ情報筋によると、レッドブルは現時点でペレスをチャンピオンのマックス・フェルスタッペンと協力できるベストな候補者だと考えているようだ。 レッドブルは育成ドライバーの角田裕毅(RB)の昇格を検討していないと考えられており、さらにカルロス・サインツJr.にも候補ではないと伝えたと理解されている。つまり、これら全ての兆候はペレス残留がチームの意図だと示している。 フェルスタッペンのペースに追いつけないときもあるが、ペレスはマシンからベストを引き出せる週末には、重要な貢献をしている。またペレスを残留させる利点には、彼がチーム内で政治的な問題を引き起こさない点も挙げられる。 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、モナコGPを振り返り、ペレスの改善を手助けすることが優先事項だと語った。 「今週末は彼にとってはかなり厳しいものになった」とホーナー代表は言う。 「2台とも確実にポイントを稼げるようにする事が必要なのは明らかだ。フェラーリとマクラーレンの脅威を、チャンピオンシップ争いにおいて無視することはできないんだ」 「チェコ(ペレス)は序盤6戦では非常に強く、予選でもフロントロウを獲得し、2位や3位でフィニッシュしてしっかりとポイントを稼いできた。我々に求められているのは、彼の自信を取り戻させることであり、今の落ち込みに注目することではない」 そしてペレスの直近の苦戦が来季に向けた決断のタイミングを変えたかという質問には、次のように彼は答えた。 「いや、そうでもない。タイミングは我々の都合で決まるものだと思う。時間が経てば、決定を下すことになるだろう」 またレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、第10戦スペインGPまでには内部で考えをまとめることになると示唆した。 「バルセロナまでには、明確な全体像が見えてくるはずだ」 マルコはmotorsport.comにそう語った。 「それまでに、我々も明確な考えを手にしているだろう」 そしてペレスがシート争いの“ポールポジション”にいるかどうかと尋ねられた際、マルコは次のように答えた。 「彼は良いポジションにいる。それがポールポジションとは言わないが、彼は良いポジションにいるよ」 レッドブルがペレスの残留を決めた場合、ドライバー市場にも広く影響を与えることになるはずだ。 特にフェラーリでのシート喪失が決まったサインツJr.はレッドブルのシート獲得の可能性をこれ以上待つ必要がなくなり、選択肢にあるザウバー/アウディか、ウイリアムズ移籍を選ぶことになるだろう。 ただ、ザウバーかウイリアムズのどちらを選ぶにしても、彼にとって簡単な選択ではないはずだ。 短期的な競争力ではウイリアムズが有力な選択肢であり、2026年以降のドライバー市場を見据えるなら、ある程度柔軟な契約にすることも可能だろう。 一方でザウバーはアウディによるワークスチーム化が決まっているため、将来的な発展の可能性が見込まれる。サインツJr.の決断は難しいものになりそうだ。
Jonathan Noble