タペストリーのカプリ買収はどうなる? 米連邦取引委員会が提訴した裁判で各社トップが証言台に
FTCの代理人弁護士は、「本件は、働くアメリカの女性たち、中流階級の女性たちの裁判だ。彼女たちはアウトレットやメイシーズ(MACY’S)に行き、好きなアメリカンブランドを探す。彼女たちは手頃な価格で手に入れたいと考えている」と主張。「コーチ」や「マイケル・コース」のバッグを購入する消費者の半数は、年収7万ドル未満(約994万円未満)の家庭で、「最大の競合同士が合併するのは、アメリカの消費者にとって良くないことだ」と述べた。
アイドル会長兼CEOが証言した翌日には、タペストリーのジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)CEOが証言台に立った。
FTCが定義しようとしている“アクセシブル ラグジュアリー”ハンドバッグ市場についてクレヴォイセラCEOは、「“アクセシブル ラグジュアリー”というのは、当社の競争戦略を投資家に対して説明するために使っている言葉であり、消費者を引き付けるための表現ではない」と指摘。この言葉はあいまいであり、タペストリーが内部文書で使用していたものの、“アクセシブル ラグジュアリー”という視点から競争を見ておらず、「誰もこの言葉の意味をすり合わせることができないため、競合他社を表すには不適切だ」と主張した。
また、クレヴォイセラCEOは、どの価格帯のブランドも競合に当たると述べ、「ラルフ ローレン」がハンドバッグ市場に本格的に参入していることを例に挙げた。また、「ヴェロニカ ビアード(VERONICA BEARD)」「クルト・ガイガー(KURT GEIGER)」「テルファー(TELFAR)」、そしてアクティブウエアの大手である「ルルレモン(LULULEMON)」についても競合だと述べた。