中日・立浪和義はなぜ中田翔獲得を熱望したのか? 指揮官が問題視した、2年連続最下位チームの“ゆるさ”「緊張感がなさ過ぎる」「叱ってくれる先輩がいない」
昨年まで2年連続最下位に終わった中日が今季、一転してセ・リーグ首位となっている。3年契約の3年目にして花開いた立浪和義監督の指導哲学とは? 開幕前に「昨季の騒動」と「中田翔獲得の真意」を直撃した記者の著書『中日ドラゴンズが優勝できなくても愛される理由』(光文社新書)より、インタビュー内容を一部抜粋してお届けします。(全3回の第3回/初回はこちら) 【画像】「めっちゃ、美男子やん!」若手時代の立浪和義、見たことある? 星野政権で入団→ミスタードラゴンズへ、中日一筋・立浪和義の軌跡を見る
そもそも試合前に満腹となるまで食べるか? と聞くと…
2023年夏、SNS上で『米騒動』のフレーズが席巻した。 その頃、調子を落としていた細川成也が、試合前にお腹いっぱい、ご飯を食べているように見えたという。立浪は、その“復調策”の一つとして「ご飯を減らせ」と提案したところ、そこから細川の成績が再び上がってきた。 そうした流れの中で、選手サロンから白ご飯のジャーが撤去されたのだ。 中日では、白飯が食えない──。 これを一部メディアが「米騒動」の見出しで報じたのが、一連の騒ぎの発端だった。 しかしそもそも、試合前に満腹になるまで食べるだろうか? 「そうですよ、当然ですよ。緊張感がなさ過ぎるんですよ」 立浪の舌鋒が、鋭くなった。
自分は悪いことも間違ったことも言ってない
「試合前から、試合に入るルーティンで緊張していれば、もちろんお腹がすく時だってありますよ。でも人間って、食べて胃の消化をすることに集中したら、絶対に眠くなるじゃないですか。そんなの、当たり前のことですよ。別にそんなことで、自分は悪いことも間違ったことも言ってない。ちゃんと現に、おにぎりくらいは置いていますから、全く食べるなとか、そういうことも言ってないんでね。最近、報道の自由っていうのはあるかもしれませんけど、行き過ぎですよね。批判が成長を妨げますよね。だから、あんまり度を越したら、こっちも何もしゃべらんよ、という話になりますよ。もう何をしゃべっても、しゃべった部分の一コマ、悪い言葉を切り取って出すんで、疲れますよね」 メディアの一員として、野球記者の端くれとして、耳が痛かった。