これが本来の姿!?写真家と村民によるアートな「歌舞伎」写真集 現実とフィクション織り交ぜたユーモラスな世界観
役者以外の写真も。 飴をなめている女の子はー。 写真家・秦雅則さん: 「歌舞伎をしたいらしいんですけど、年齢的に自分はできないと。でも好きだから付いてきて、裏方の仕事も見てたんですね。これからをきっと担う子なんでしょうから」
あの「黒子」の写真も。 なんだか奇妙な雰囲気です。 撮影した加藤さんも初めて作品を見ます。
秦さんは、黒子を撮った理由を「フィクションの入り口にしたかったからだ」と明かしました。
写真家・秦雅則さん: 「ドキュメンタリーで大鹿歌舞伎を撮るという形ではないので、ドキュメンタリーとフィクションが混じっていくというシーンの中で、黒子は本来の歌舞伎にも出演しているけど、役者ではない、裏方。それに着目して主役にしていくことからフィクションが始まるという」
村民カメラマン・加藤哲夫さん: 「黒子は『見える』けど『見えない』っていうことなんで、そういうことを考えると、『見えない』相手を撮ったということで面白かったですね」
現実とフィクションを織り交ぜたユーモラスな世界観。 それを写真集に取り入れます。
黒子として協力した石川さんも会場へ。 一緒に来たのは長く歌舞伎に携わってきた祖父・片桐登さん(94)です。 大鹿歌舞伎の役者・石川かおりさん: 「一人一人の人間味がよく伝わるような感じがして、写真自体がおもしろい。歌舞伎に興味を持ってくれる人が増えたらいいなと思いました」
長く歌舞伎に携わった・片桐登さん(94): 「歌舞伎がこの村を支えておると思う。それが永遠に残っていくように(孫の石川さんや若手が)一生懸命やってくれているんです」
この日、地元の小学4年生7人による歌舞伎が上演されました。 授業で学んできた演目のお披露目です。
加藤さん、秦さんも再びカメラマンに―。
写真家・秦雅則さん: 「歴史も深く、価値の高い、みたいな印象があったんですけど、お祭りの一環としてあるんだなっていうのを知れて、楽しもうっていう気持ちでやってらっしゃるので、昔の歌舞伎ができたころのパンキッシュな精神が残っているなと感じます。歌舞伎自体が若い人たちがすごく興味がある分野でもないので、ちょっと見てみようかなと思わせるような内容とかタイトル、表紙を作っていけたら」
長野放送