これが本来の姿!?写真家と村民によるアートな「歌舞伎」写真集 現実とフィクション織り交ぜたユーモラスな世界観
「かわいいじゃん」 加藤哲夫さん(70)も自ら応募し村民カメラマンになりました。 村民カメラマン・加藤哲夫さん: 「9年前に移住してきたんですけど、当初から歌舞伎が大好きで参加しています。(フィルム撮影は)一発勝負、緊張しています」
写真家・秦雅則さん: 「(役者と)関係性が密で、彼らが撮る写真は面白いし、プロの僕が撮れるものではない写真がいっぱい出てきて、それが一番魅力的だなと」
2週間後。 石川かおりさん: 「もうちょっと、その辺ですか?」 この日、秦さんと加藤さんは役者を「単体」で撮影することに。 モデルは若手の石川かおりさん(32)です。
大鹿歌舞伎の役者・石川かおりさん: 「これ(黒子)を着て、やってもらいたいポーズがあるからという話は聞きました。(どういう狙いなんでしょう?)わかりません!(笑)」
秦さんが二人に見せたのは歌舞伎の最終リハーサルで見せた役者たちの姿。 これらを「黒子」となった石川さんに再現してもらいます。 「撮ってみますね」
写真家・秦雅則さん: 「次は、シンプルなこれを撮ってもらいましょう」 村民カメラマン・加藤哲夫さん: 「指を離してください、そうそう、いいかな」 写真家・秦雅則さん: 「いいですね。ちょっと下から」 なぜ「黒子」なのか。この段階では石川さんも加藤さんもわかっていませんでした。 村民カメラマン・加藤哲夫さん: 「なんか不思議な感じがします。(どうなると思います?)重なるのかな?影になる?」
秦さんが村で撮影を始めてから半年余り。 3月、村の資料館で写真展を開きました。
写真集に取り掛かる前に、これまでの撮影内容を住民に見てもらうことに。 役者の村民: 「フィルムが古いってことで、色が違うところもあっていいんじゃないかな、それがかえって」
並べられたのは現像した5000枚から厳選した250枚。いずれも歌舞伎に携わる村民たちの「ラフな姿」です。 写真家・秦雅則さん: 「ぼくが気に入ってるのは、村長さんがメイクを落として、グレーになってるんですけど、顔がゾンビみたい。(舞台)終えて、顔ぐちゃぐちゃにオイルで溶かす時に声かけて『今いいですか』って」 役者でもある熊谷英俊村長のユニークな姿―。