<高校野球>仙台育英、狙うは東北悲願の頂点 3年ぶり13回目 第92回選抜高校野球
第92回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、特別協力・阪神甲子園球場)の出場校を決める選考委員会が24日、毎日新聞大阪本社オーバルホールで開かれ、宮城県から仙台育英(加藤雄彦校長)が選ばれた。センバツ出場は3年ぶり13回目。大会は3月13日に組み合わせ抽選会があり、同19日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。育英ナインが東北勢悲願の甲子園初優勝を目指す。【滝沢一誠】 【動画】仙台育英と鶴岡東の東北地区秋季大会の決勝戦の様子はこちらから 昨夏の甲子園で8強入りした実力は、新チームでも健在だった。昨秋は地区大会から県大会、東北地区大会までの11戦全てに勝利。東北(宮城)や盛岡大付(岩手)、鶴岡東(山形)などの強豪校を次々と破り、東北地区大会で3年ぶり10回目の優勝を果たした実力が順当に評価された。躍進の要因は、夏の甲子園に出場したメンバーと、秋に頭角を現した新戦力の融合だった。 投手陣は、甲子園のマウンドに立った1年生の笹倉世凪(せな)投手、伊藤樹(たつき)投手に加えて、2年生左腕の向坂優太郎投手が昨秋に急成長。8試合で45奪三振と強気の投球で、チームで唯一、秋の公式戦で完投も経験した。打線も強力だ。甲子園メンバーの宮本拓実選手(2年)と入江大樹選手(同)が3番と4番を固め、田中祥都主将(同)や笹倉投手も長打を狙える。下位打線もつなぐ野球を目指し、大量得点を奪う。 須江航監督は、全国優勝から招かれるようなチームを目指す「日本一からの招待」をスローガンに掲げる。昨年10月の台風19号で被災した大崎市鹿島台でボランティアを行うなど、プレー以外の面でも日本一にふさわしいチームづくりを進めてきた。3年ぶりとなる春の大舞台へ、仙台育英が全国制覇の第一歩を踏み出した。 ◇昨年の全国高校駅伝では男女同時優勝 正式名称は仙台育英学園高等学校。1905年、私塾「育英塾」として加藤利吉が創立した私立校。生徒数3157人(全日制のみ)。校舎は宮城野校舎(仙台市宮城野区)と多賀城校舎(多賀城市)に分かれ、野球部の練習場「真勝園」は多賀城にある。 建学精神は「至誠」「質実剛健」「自治進取」。部活動が盛んで、陸上競技部は昨年12月の全国高校駅伝で26年ぶりの男女同時優勝を果たした。ラグビー部やサッカー部も全国大会の常連。書道部は2018年の「書の甲子園」(国際高校生選抜書展)で全国優勝し、センバツの入場行進で使われるプラカードの揮毫(きごう)を一部担当した。難関大進学を目指す特別進学コースもある。 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、全31試合をライブ中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。デジタル紙面では出場決定号外も無料で配信します。