岐阜の森にカメラマン大集合!“サンちゃん”の巣立ち見守る
20人以上のカメラマンがレンズを向けていたのは、巣立ちを控えた野生のひな。かわいくて貴重なその姿を、多くの人が見守りました。 【動画】 「サンちゃん」巣立ち見守る
レンズの先にいたのは“野生のひな”
6月26日、岐阜市三田洞。岐阜にあるのどかな森に集合したのは、20人以上のカメラマン。レンズの先にいたのは、野鳥のひな。「“サンちゃん”で通ってますね、かわいいですね」と、ひなについて笑顔で話すカメラマンたち。
“サンちゃん”という愛称で呼ばれていた鳥は「サンコウチョウ」。オスは黒くて長い尻尾に目のまわりが青いのが特徴で、夏に日本にやってくる渡り鳥です。「ツキ(月)、ヒ(日)、ホシ(星)、ホイホイホイ」と、鳴き声が3つの光に聞こえることから、「三光鳥(サンコウチョウ)」と呼ばれているそう。
「鳳凰が舞ってるみたいな飛び方とか。魅力を感じて撮りに来てる」と話すのは、約5年前から毎年“サンちゃん”を見守っているという神谷孝子さん。そんな神谷さんには、“ある心配事”がありました。それは、ヒナがヘビに襲われてしまう危険。「毎年ヒナがかえっても、巣立つ寸前でヘビにやられたりとかする」と神谷さんは話します。
「準絶滅危惧種」にも指定されているサンコウチョウ。巣のある木には、ビニールが巻かれ、ヘビが木に登ることができないように対策が進められていました。
巣立ちに安堵「我が子が巣立ってくれた気分」
親鳥からエサをもらってすくすく成長し、巣から飛び出してしまいそうなほど大きく育ったひなたち。ついに、“巣立ちのとき”が訪れようとしていました。 巣立ちの瞬間をカメラにおさめるため、大勢のカメラマンが巣に視線を集中させます。しかし、上手く飛べないのか、飛び立とうとしては、巣に戻ってしまいます。
そして10分後、ついに“そのとき”が。カメラマンたちに見守られながら、巣から飛び立ったひなたち。「飛んだー!飛んだー!」、「でたー!やったー!」など、カメラマンたちから喜びの声が湧き上がります。
愛する“サンちゃん”の巣立ちに神谷さんは、「我が子が巣立ってくれたって気分です。また来年も来てくれるのを願ってます」と安堵の表情を浮かべます。 多くの人々に見守られ、空へ羽ばたいていった“サンちゃん”。海を渡り1年後、また姿を見せてくれるのでしょうか。