今宮のファインプレーを体感する時代に!? スポーツメディアの今と未来は 学生たちからアイデア続々【第2期OTTO!学生スポーツゼミ⑧】
ドラフト取材の舞台裏&テレビの歴代視聴率は…
西スポWEB OTTO!が主宰する2024年度学生スポーツゼミの第8回講座は、西日本新聞天神南ビル(福岡市)でスポーツメディアをテーマに開かれ、ホークスのマーケティングやブランディング戦略を担っていた市川圭之介・日本経済大教授とOTTO!の池田郷編集長がスポーツメディアの歴史や現状、将来像について語った。 ■ゼミを終えて「スマホ以外で発信するというのを考えるのは…」と学生たちのコメント【一覧】 冒頭、前日に行われたプロ野球ドラフト会議に関し、OTTO!の取材チームをとりまとめた末継智章デスクが登場。全国・九州各地にソフトバンクの指名候補や注目選手が点在する中、事前の取材に基づきどうやって記者を配置したのか、舞台裏を明かした。 「前年のドラフト会議が終わった瞬間から、翌年のドラフト取材が始まっている」と末継デスク。球団スカウトが目を付けた選手をひそかに視察した情報などを地道に集め、翌年の指名候補を予想するプロ野球担当記者の醍醐味を語った。 本題に入ると、市川教授が昨年と2022年、歴代のテレビ視聴率ランキング(ビデオリサーチ調べ)を紹介した。歴代では上位10個のうち7個がスポーツ関連。22年はサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会や北京冬季五輪、箱根駅伝で八つを占め、昨年も上位七つがワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の試合中継だったことに触れ「スポーツがどれだけ強いコンテンツなのか知ってほしい」と学生たちに呼びかけた。 一方で新聞よりインターネット上の情報を見るようになっている現状にも触れ「ネットによってかなり便利に情報を得やすくなったけど、見たい情報しか入手できなくなりつつある。ネットメディアになって情報量が増えたと思い込まないようにしてほしい」と訴えた。 市川教授は日本のプロ野球球団の変遷を通じ、メディアとスポーツの長年続く密接な関係も取り上げた。2リーグ制に分かれた1950年当時は新聞社や鉄道会社が多くの球団を保有していたことに触れ、現在はソフトバンクや楽天といった通信インフラの企業が球団を経営していると指摘。「今はスポーツニュースはオンラインで触れる。だからサッカーも町田はサイバーエージェントが経営に参画したり、ミクシィがクラブを買収したりと、オンライン系の会社がオーナー企業になっている。スポーツ産業を見たときにどこがオーナーになっているか、大口スポンサーになっているか注目すると、スポーツビジネスがより分かってくる」と説明した。