アパルトヘイト時代から変化……地域文化融合アートが新しいヨハネスブルク
成田から香港経由でヨハネスブルグ、O.R.タンボ国際空港に着いた。国内線のケープタウン行きに乗り継ぐ合間、ふと空港内のトイレに入った。海外では珍しくピカピカに清掃されたトイレに少し驚いた。「ようこそ、私の美しいオフィスへ」とモップがけをしていた若い黒人男性が手を止め、海外からの旅行者に笑顔を振り撒いていた。 最近、日本からの観光客数を伸ばしている。長かったアパルトヘイト(人種隔離政策)の歴史を克服し、さらに貧困格差、治安の問題を克服すべく動き出した南アフリカ。政府も今、観光産業に力を注いでいる。 雄大な自然、そこに生きる野生動物を目当てに、“一生に一度は訪れたい”と言う旅行者も多い。多くの民族と言語、文化から成り立ってきたことから“虹の国”と呼ばれている南アフリカ共和国を旅した。
南アフリカ最大の都市、ヨハネスブルグ。政治的背景からアパルトヘイト撤廃後、街は刻々と変化していった。2010年のFIFAワールドカップ開催を機に心配されていた治安の問題も徐々に治っていった。 ビジネスと地域の文化を融合させ、新しい街づくりをしているマボネン地区。ウォールアートがあちらこちらに見られるフォックスストリートにブティック、アートギャラリー、ホテル、レストラン、カフェが集まっている。アートやライフスタイルに関心の高い若者が集まり、今ヨハネスブルグの注目のエリアになっているそうだ。 (2017年11月撮影・文:倉谷清文) ※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<大自然と人 “虹の国”南アフリカへ>倉谷清文第9回」の一部を抜粋しました。