日本発売、肥満症治療薬「ウゴービ」の「効果と注意点」「そもそも手に入るのか」
日本向け在庫は後回しに?
日本も不足状況は変わらない。ウゴービが処方可能になったといっても、十分な在庫は確保されていない。おそらく、当面、解決されないだろう。我が国でのウゴービの承認は米国から22カ月、欧州から15カ月遅れた。薬価が安いからだ。 例えば、米国での1カ月の薬価は約1350ドル(約20万円)だが、日本は約4万3000円に過ぎない。世界中でウゴービを販売するノボ・ノルディスクが、限られた在庫を日本に優先的に回すとは考えにくい。ところが、このあたり日本のメディアが論じることはない。 折角、画期的な肥満治療薬が開発されても、我が国の国民は、その恩恵にあずかれないことになる。日本の医療システムの問題を正面から議論する時期がきている。
上昌広