シンガポールのVCが語る「インドと東南アジア」に投資する理由
活況のインドIPO市場
アナンドは、インドと東南アジアは引き続きVCにとって魅力的な市場であり、2桁台のリターンが得られる可能性があると語った。また、カテゴリ別に言うと、コンシューマー関連のスタートアップが依然として有望であり、教育やヘルスケア、フィンテック分野の企業にも期待できると語った。 ■活況のインドIPO市場 ジャングル・ベンチャーズは、2012年に1000万ドル(約15億円)という控えめな資金で設立されて以来、約12件のエグジットを完了している。同社が初期投資を行った、マレーシア発のスタートアップで動画配信サービスを展開するiFlixは、2020年に中国のテンセントに非公開の金額で買収された。また、同じ年に、ジャングル・ベンチャーズと他の投資家は、ムンバイを拠点とする消費者融資プラットフォームのPaySense(ペイセンス)を、南アフリカのNaspersが支援するデジタル決済ゲートウェイを展開するPayUに1億8500万ドル(約277億円)で売却した。 「私たちは、東南アジア地域のIPO環境が、今よりも良好であれば、もっと多くの投資をしていたはずだ」とアナンドは述べている。例えば、Kredivoは2022年に25億ドル(約3800億円)規模の特別買収目的会社(SPAC)との取引を市場環境の悪化を理由に中止した。 一方、インドでは現在IPO市場が非常に活況を呈しているとアナンドは述べている。ユニコーンのLivspaceとMoglixは、インドでの上場を計画中という。
Ardian Wibisono