台風等で大きな被害があると、銀行などで特例を受けられますか?【元銀行員が解説】
記録的な大雨や暴風をもたらした台風10号。ゆっくりとしたスピードで縦断したことから、全国各地に深刻な被害を与えました。 ◆【写真で見る】万が一の災害…預貯金の扱いで特例を受けられることも こうした災害時に知っておきたいのが、銀行で受けられる特例についてです。 台風や地震などの大きな災害が発生した際、銀行では被災者に対してきめ細やかな対応を行うためにいくつかの特例措置が取られます。 この記事では、元銀行員の筆者が災害時における銀行での特例措置について解説します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
災害救助法が適用された地域には特例対応が取られる
台風や津波、地震など大きな災害が発生し、一定の被害が想定される場合は「災害救助法」が適用されます。 災害時は、住居や食事、医療などさまざまな場面で困難が発生しますが、金銭的な悩みを抱える被災者も少なくありません。 そこで、銀行では災害救助法が適用されると、いくつかの特例措置が実施されます。 具体的にどのような特例が受けられるのか、くわしく紹介していきましょう。
特例(1)通帳や印鑑がなくても払い戻しが受けられる
災害救助法による特例措置が取られると、銀行窓口では通帳や印鑑がない場合でも出金手続きが行えるようになります。 被災状況によっては、「自宅が被害を受けて通帳や印鑑がどこにあるか分からない」、「避難する際に通帳を持ってこられなかった」というケースも想定されるでしょう。 通常、預金口座からの引き出しは通帳やキャッシュカード、届出印が必要となりますが、災害時は一定の本人確認を行うことで出金が行えるようになります。 もし「現金を引き出したいけど、通帳も印鑑も手元にない」という場合は、まず銀行の窓口に相談してみましょう。 ただし、金融機関によっては、引き出しの上限額が定められている場合もありますので注意が必要です。
特例(2)満期前の定期預金を解約できる
災害時の特例措置では、普通預金だけでなく満期を迎える前の定期預金の中途解約にも対応しています。 一般的に、定期預金は中途解約が原則不可とされていますが、被災時は当面の生活費や自宅の修繕などでまとまったお金が必要となることもあるでしょう。 この場合、銀行の窓口で手続きを行うことで、中途解約に応じてもらうことが可能です。 先ほどのケースと同様に、「定期預金証書を紛失してしまった」といった場合も柔軟に対応してもらえる可能性があるので、まずは窓口へ相談してみることがおすすめです。