性別騒動 体育署、国際ボクシング協会を提訴の構え IOCと協議へ/台湾
(台北中央社)パリ五輪のボクシング女子57キロ級に出場している台湾の林郁婷選手が巻き込まれている性別を巡る騒動。教育部(教育省)体育署は9日、林選手に対して根拠のない批判を繰り返している国際ボクシング協会(IBA)を提訴するため、国際オリンピック委員会(IOC)と競技終了後に協議する方針を明らかにした。 性別騒動のきっかけは、IBAが昨年、性別適格検査で不合格だったとして林選手とアルジェリアのイマネ・ケリフ選手の世界選手権出場資格を取り消したことにある。IBAはパリ五輪の期間中にも両選手への批判を繰り返しているが、具体的な証拠は出していない。 同署は9日の声明で、林選手の世界選手権出場資格が取り消された後、医学やドーピング、スポーツ心理カウンセリング、スポーツ管理の専門家と協議し、即座に林選手に対して全身の医学検査を実施したと説明。その結果、杭州アジア大会やパリ五輪の出場資格に問題はないと判断し、今後の対応の方針として外部の不要な干渉を抑えることを最高原則にすることを決めたとした。 五輪期間中、同署は中華オリンピック委員会と協力し、複数回にわたってIOCと会議を開き、林選手を固く支持するIOCの立場を確認したとし、外部の人々に対し、IOCが林選手の出場資格を完全に認めているからには、プライバシーをさらに公開する必要はなく、その他の無関係な組織や個人が拡散する誤った情報を相手にする必要はないことを理解するよう呼びかけた。 IBAに対しては頼清徳(らいせいとく)総統の指示の下、弁護士を通じて書簡を出し、林選手個人の医療上の個人情報を公開することは違法に当たると警告したと明かした。その上で、現時点では想定していた効果は得られているとし、今後は選手や弁護士、IOCと協議し、いかにしてIBAを提訴するか検討するとした。 (陳容琛/編集:名切千絵)