William Abranowicz

部屋を美しくする、毎日を過ごしやすくする、メンタルヘルスを向上させるなど目的はさまざまですが、誰もが家を通じて生活をよりよくする方法を探しています。インテリアにこだわったり、アンティークや愛着のあるものを部屋に置いたりすることも空間に活力を与える方法の1つ。でも「エネルギー」、つまり全体的な雰囲気を考えてみるのもおすすめです。 インテリアをデザインしたり家を設計したりするにあたって、家にいいエネルギーを呼び込むことに焦点をあてたアプローチがあります。それが風水です。この記事では、風水のルールを実践する方法をアメリカのライフスタイル誌『Veranda』よりご紹介します。 【写真集】風水専門家に聞く、今すぐやるべき家の片づけ7

風水とは何か

簡単にいえば「風水とは気持ちのいい空間デザインのこと」と語るのは風水コンサルタントのエリザベス・アレイ。「風水はあなた自身と、その空間で生活したり働いたりするすべての人にとってプラスになるやり方で家のなかを整える、インテリアのアレンジ方法です」。原則はアレイのいう「生命力のエネルギー」、別名「気」のバランスをとること。そうすることでエネルギーの調和の取れた環境をつくることができます。 風水は中国に古くから伝わる思想であり、何世紀も受け継がれてきました。アレイによるとその起源は3500年前以上に遡るといいます。それよりもさらに古いという説もあるのだそう。 風水とはその文字が表す通り「風と水」。風水師でインテリアデザイナーでもあるキャサリン・ブロフィーはこう語ります。「考えてみればこの2つの力は地球上のエネルギーを運び、すべてのものに栄養を与え形づくるものです。風水は自然と建築の関係に注目し、この2つの間にバランスとスムーズな流れを生み出すことを目指しています」 風水は家を設計する最初の段階で取り入れるのがベスト。でもブロフィーによると、リフォームやインテリアを変えるときに実践することもできます。

風水はなぜ効果があるのか

Becky Stayner

アレイによると、風水が大切にしているのはその空間のなかで上手に暮らすこと。例えば家には必要なもの、使うもの、好きなものだけを置くことをポリシーにしています。 「このシンプルなルールに従えば家にあるすべてのものを愛し、使うことになるので生活の質が上がります。すべてのものに目的と個人的な意味があるのです」。つまり風水を家に取り入れると、意識がクリアになり気持ちが安らぎます。その結果、よりポジティブなエネルギーを感じられるようになるのだそうです。 インテリアスタイリストで風水のコーチでもあるローレル・T・コリンズは、風水は空間に関する疑問があった場合、その答えに気が付かせてくれると考えています。 「風水という視点を通して空間を見ると、あるものがあなたの人生のビジョンを助けてくれるのか、それとも阻んでいるのかが簡単にわかります。例えばリビングルームのインテリアを新しくするとします。そのインテリアはあなたの望む快適な暮らしにプラスになるものですか？ゲストのためのスペースはありますか？読書に適した照明ですか？家具と家具の間は動きやすいですか？清潔ですか？光は入ってきますか？あなたにインスピレーションを与えてくれますか？」 また、部屋がどこか不穏なムードで、その原因がわからない場合も風水が参考になるとコリンズ。部屋の要素のバランスをとるべきかを風水で見極めることができると話します。 風水は空間をよりよいものにし日常生活の質を上げるだけでなく、メンタルヘルスを高めることもできると専門家は考えています。 ブロフィー曰く「自分のためにデザインされた空間に住むと神経系が落ち着き、不安感が軽減されます。理論はさておき部屋の配置やレイアウト、部屋のなかの家具の配置など、すべてが自分のライフスタイルに合っていると心身の緊張が和らぐのです」。それでは早速、風水を生かすために今すぐできる方法を見てみましょう。