関空特急「ラピート」運行30周年 かつては難波から29分で直行…“ノンストップ特急”が消えた理由とは
なぜノンストップでなくなったのか
「ラピート」のノンストップがなくなり、停車駅が増加した背景には「ラピート」利用者数の減少が挙げられます。 「ラピート」の利用者数に関して、1995年度は300万人を超えました。しかし、1996年度から2000年代前半にかけて減少が続き、2003年度は160万人台まで落ち込みました。この減少は関西経済の低迷を背景にした関西空港の低迷に関連づけられます。 利用者数の低迷から、ラピートにテコ入れが行われました。つまり、他線からの乗り換え客の便宜を図るために新今宮駅、天下茶屋駅に停車。また、「β」の増加に関しては、こまめに乗客を拾う作戦に転じた、と考えられます。 2010年代に入ると、LCC(格安航空会社)の関空乗り入れ、訪日外国人客の増加など、関西空港の利用者数は増えました。これに伴い、「ラピート」の利用者数も増えました。 関西空港アクセス交通機関別輸送人員(1日平均)によると、2013年度は南海約18,000人、JRは約22,000人。2023年度は南海約32,000人、JR約33,000人でした。10年前は南海よりもJRの方が利用者数が多く、現在はほぼ互角。南海の勢いを感じます。 コロナ禍で利用者数は大幅に減少しましたが、現在は順調に回復しています。しかし、「ラピート」のノンストップ運転は復活していません。現在の新今宮駅周辺の賑わいや発展ぶりを見ると、難波~関西空港間のノンストップの復活は考えにくいと思います。 (まいどなニュース特約・新田 浩之)
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