蚊に刺されないために「玄関前は小走り」「ゆったりした服」「網戸は右側」害虫駆除の専門家が教える”秘策”
■赤ちゃんやペットがいて気になる人は… ー屋内では、人には影響しないレベルとはいえ殺虫成分をまき散らしたり、忌避剤をつけたりすることに抵抗がある場合には?(赤ちゃんやペットがいる場合は特に) (大野さん) 「いくら安全とは言っても電気蚊取りは化学物質だし、蚊取り線香は煙たいし…というご相談をいただくことはありますね。そういう時には、蚊帳(かや)を利用するのがいいかもしれません。蚊がやってきてしまうなら、蚊が入ってこない網戸に自分がこもってしまおう、というものです。あらかじめ蚊が入ってこないようにしておき、赤ちゃんやペットが休んでいる上にかけてあげたり、中に入れてあげたりすると安心ですね。風も通りますし、殺虫成分を使っていないので安心です」 「殺虫成分が空気中に出て来なければ、ということなら、弊社では『タフガードネット』という網を様々な場面で使用しています。見た目は青っぽくて目立ってしまいますが、通常の網戸と同じように蚊は通過することはできません」 (大野さん) 「この網戸の特徴は、殺虫成分を配合していますが、殺虫成分は空気中には出てこず、これに止まった虫にだけ効果があるところです。殺虫成分の有効期間はあるものの、こういうネットを使用して網戸を作ったり、蚊帳を作ったりすることでより蚊を防いでやることができます」 「こういう製品は海外ではマラリアという蚊による伝染病対策としても使用されて効果が出ているものですね。この商品以外にも、最近は日本でも殺虫成分含有の網戸も増えてきています」 ■厚手のジーンズの上からでも蚊に刺される!ゆったりした服装をしよう! ー工場やビル、店舗など、建物の構造などによって、対策が難しいこともあるでしょうね。少しでも蚊のストレスを減らすために、できることはありますか? (大野さん) 「蚊に刺されないようにするには、物理的に、あるいは忌避剤や殺虫剤を使用して化学的に蚊を防ぐしかありません。蚊の入り口が大きく空いていたり、広くて薬剤がいきわたりにくかったりすると対策はとても難しいです。 蚊の口はとても長く、厚手のジーンズの上からでもぷすっと届いてしまいます。夏は薄着になり、露出も増えますが、肌と肌の間に隙間ができる、ゆったりした服を着るのがいいですね」 (大野さん) 「そのほかにはいわゆる虫よけスプレーが便利です。少し前の話になりますが、高濃度のディートや新成分のイカリジンという成分の虫よけスプレーが販売されています。 ディートは50年以上の実績を持つ虫よけ成分で、蚊以外にも様々な私たちの血を狙う生き物に効果がある、とても効果は高い成分なのですが、衣服の繊維を痛めることがあり、濃度によって12%のものは生後6か月以上、30%のものは12歳以上の人でないと使用が推奨されないなどのデメリットがあります。 イカリジンはこういう注意事項がありませんが、蚊以外の虫には効果が薄い、ということがあるようです。虫よけを選ぶときにはよく説明も見てみましょう。 虫よけスプレーは虫を殺すのではなく、虫が刺す相手を見失うような効果があります。使い方のコツとしては、シュッとひと吹きした後、手で延ばすことです。 塗り残しがないように露出している体の部分に吹き付け、しっかり手で延ばしてやること、特に死角になりやすい首筋などは手のひらにスプレーして手で延ばしてやりましょう。 汗をかくと流れてしまうので、汗をかきやすい関節などを中心に、汗をしっかりかいたなと思ったら1~2時間くらいでかけなおすのがいいかもしれません。日焼け止めなどのあと、虫よけスプレーは最後で良いです」
RSK山陽放送