蚊に刺されないために「玄関前は小走り」「ゆったりした服」「網戸は右側」害虫駆除の専門家が教える”秘策”
(大野さん) 「次は玄関です。ただいまー、と家に帰ってきたとき、蚊も一緒に連れて入ってしまっているかもしれません。蚊は私たちの血を狙っています。とはいえ、人を見つけて一目散に刺しに来てはあっという間に返り討ち」 「ですので、蚊はなるべく気配を悟られないように、ここだという場所を探して体に着陸しようと私たちの周りを飛びながら偵察しています。慎重な蚊は結構な距離をついてきます」 「特に歩いているときは着陸ポイントが絞れないので、旋回しながらチャンスをうかがっています。このとき、蚊は時速5キロくらいまでで追ってきます。歩いている間は十分ついてこられる速度ですね。蚊に絡まれているのに気が付いたら、小走りしてまいてしまいましょう」 玄関に着いて家に入る前に鍵を探したりしながらのんびりしていると、今度は玄関周りで開店待ちをしている蚊が寄ってきてしまいます。さっと開けてぱっと戸締り。おうちに侵入させないようにしましょう」 ■蚊取り器は「テーブルの下」へ 換気扇・水槽から遠ざけて ー入り込んでしまった蚊には、どんな対策ができますか? (大野さん) 「おうちに入ってしまった蚊はまるで忍者のように息を殺し、チャンスをうかがっています。残念ながらいるかいないかもわからないこの状態の蚊を探し出すのはほぼ不可能です」 「よく蚊が入ってきてしまうおうちは電気蚊取りか蚊取り線香に頼るしかないかもしれません。こういうグッズは置き場所が重要です。基本的には風上に、蚊が潜みやすい場所に置くことです。おうちの中でどこが風上になるかというと、換気扇からは遠い場所、低くて暗いテーブルの下などの床に近いところに置くのがいいでしょう」 「ちなみに蚊取り線香の豆知識ですが、もくもく出る煙には殺虫効果はありません。蚊取り線香は火をつけると煙を上げながら殺虫成分が出ますが、殺虫成分も火で燃えてしまうので、その前に熱くなった部分から殺虫成分が揮発するようにできています」 「とはいえ、成分は目に見えないので、煙の流れを見ながらその流れをつかむことが大切なのですけどね。電気蚊取りや蚊取り線香などの殺虫成分は、人畜毒性はかなり低い薬剤を使っているので、ほとんど害はない成分です」 「逆に水中の生き物(特にお魚さん)には毒性が高い成分ですので金魚鉢や水槽があるおうちは気を付けてください。特にぶくぶく(エアレーション)周りにこういうものを置いたり、殺虫剤をかけたりするとお魚さんたちにはとんでもないダメージを与えてしまいます」