選抜高校野球開幕 新型コロナで2年ぶり 6校が入場行進
第93回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)は19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕した。新型コロナウイルスの影響で2020年の前回大会が中止になったため、2年ぶりの開催となる。新型コロナウイルス感染防止策を取り、上限1万人の観客からエールを受けながら熱戦が繰り広げられる。決勝は31日午後0時半から予定されている。 【選手宣誓をする仙台育英の島貫丞主将】 試合に先立ってあった開会式には、新型コロナ感染予防の観点からこの日に試合がある6校のみ参加。主将らは録音された入場行進曲「パプリカ」に合わせ、外野の芝生から内野の黒土に向かって行進した。他の26校は、事前に撮影した行進の映像がスコアボードのビジョンに映し出され、一緒に行進しているような演出が行われた。 出場校を代表して仙台育英(宮城)の島貫丞(しまぬきじょう)主将(3年)は、10年前に起きた東日本大震災や新型コロナ禍の現状に思いをはせ、甲子園に来られなかった先輩の思いも背負い、「2年分の甲子園。一投一打に多くのおもいを込めて、プレーすることを誓います」と選手宣誓した。【荻野公一】 ◇喜び2倍、3倍に 丸山昌宏・大会会長(毎日新聞社社長)のあいさつ 阪神甲子園球場に2年ぶりの「春」がやってきました。昨年、新型コロナウイルス感染拡大の中、大会を中止するという苦渋の決断をしました。昨年の悔しさ、コロナに立ち向かってきたこの1年の経験が、開会式の喜びを2倍にも、3倍にもしてくれているように感じます。選手の皆さん、大会を応援してくれているすべての皆さんへの感謝の気持ちを忘れず、甲子園という最高の舞台で、苦難を乗り越えて一回り大きくなった姿を存分に見せてください。 ◇挑戦こそ未来をひらく 八田英二・日本高野連会長の励ましの言葉 高校野球の聖地に球児が戻ってまいりました。グラウンドに整列をした皆さんを見ると、万感胸に迫るものがあります。全国の高校野球ファンの思いも同じだと思います。コロナ禍で練習時間が確保できず、活動が難しい時期もあったと思います。感謝の気持ちを忘れず、自らの限界に挑戦し、目標に向かって歩んで来られた皆さんに深く敬意を表します。これからも次々と災いが降りかかってくるかもしれません。挑戦こそ未来をひらく原動力です。健闘をお祈りします。 ◇希望の光に 萩生田光一・文部科学相の祝辞 待ち望んだ選抜大会が開幕します。皆さんはコロナウイルスに屈することなく懸命に練習に励み、大会への出場を勝ち取られました。大会で得られる貴重な体験を糧として、大きく成長されることを期待しております。選抜大会は阪神大震災や東日本大震災といった未曽有の国難にあって、高校球児が懸命にプレーする姿は、復興に向けて再び立ち上がる人々に勇気と希望を与えてくれました。今回も、コロナ禍を乗り越える希望の光となる、素晴らしい大会となることを信じております。