核戦力などで日本防衛する「拡大抑止」で日米初のガイドライン
防衛省は27日、米国が核を含む戦力で日本防衛に関与する「拡大抑止」に関して、日米両政府がガイドライン(指針)を作成したと発表した。指針の作成は初めて。東アジアの安全保障環境が厳しさを増すなか、日米同盟の抑止力強化をアピールする狙いがある。 【写真】広島市長「『核抑止論は破綻』直視を」平和祈念式典で 指針の内容は公表されない。防衛省によると、拡大抑止協議を含む、両国間の意思疎通を図るための手続きや具体的な取り組みについて明記した。また、双方が拡大抑止に関する戦略的メッセージをどのように発信するか記したという。 日米間では2010年以降、定期的に拡大抑止について協議し、机上演習などを重ねてきた。24年7月には初めて閣僚級に格上げした会合を開いており、指針はこれまでの議論の成果となる。 拡大抑止については石破茂首相が3日の参議院本会議で、「米国の拡大抑止の信頼性をこれまで以上に強化させるよう、事務方に指示した」と発言していた。岩屋毅外務相は27日の記者会見で、指針作成は「石破首相の指示を踏まえたもの」と説明した。【中村紬葵】