どんな人とでも恋に落ちる「36の質問」、憎い不倫相手を許す術… よりよく人を愛するための7つの方法
愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」。クーリエ・ジャポンでも全訳を掲載しているこの連載が、今年で20周年を迎えた。 【エッセイ】ソシオパスの私が「正直者」な夫と結婚して学んだこと コラムを担当し続けているのは、編集者のダニエル・ジョーンズだ。数えきれないほどの愛にまつわるエッセイを編集し続けてきた彼が、この20年で得た「愛の教訓」を読者にお裾分けしている。
愛を探究する旅路
いまから20年前の2004年10月31日、ヤセル・アラファトの健康状態や、迫り来るジョージ・ブッシュとジョン・ケリーの大統領選挙に関する記事と共に、弊紙「ニューヨーク・タイムズ」の第一面に次の短報が載った。 「モダン・ラブ──愛や人間関係に関する新たな週刊コラムをご紹介。今日はスティーブ・フリードマン。恋人に捨てられたけど、彼はまったく平気だという。本当に。まったくもって」 モダン・ラブを編集する長くも奇妙な私の旅は、こうして始まった。見知らぬ人と毎週、彼らの恋愛や家族、あるいはプラトニックな関係にまつわる最も私的な部分について語り合い、その物語を何百、何千、あるいは何万もの読者へ届けるために編集する旅だ。 この仕事を20年後もしているとは夢にも思わなかったが、素晴らしい旅だった。そして時が経つにつれ、連載は、同僚であるミヤ・リーの助けを借りながら成長してきた。 モダン・ラブにはいまやポッドキャストまであり、書籍化されたり、ライブパフォーマンスになったりもした。派生して、100字の週刊コラム「タイニー・ラブ・ストーリーズ」も始まっている。米国やインド、日本、オランダではドラマ化もされた。 モダン・ラブはフェイスブックと同じ年に始まった。それはiPhoneが発売される3年前で、ティンダーが生まれる8年前で、米国で同性婚が認められる11年前だ。 この20年で世界は大きく変わり、それは私の人生もまた同じだった。このコラムが始まったときの私は41歳で、結婚して12年目で、小学校に通う子供がふたりいた。いま私は61歳で、別居して3年になり、ふたりの子供たちは、仕事や自分の人生のために家を出て長いこと経つ。 別居や離婚、オンラインデートや混合家族に関する記事を、私は何百本も編集してきた。それがいつか自分ごとになるなんて思いもせずに。愛する誰かを亡くした人たちのエッセイを、そんな経験もないまま何万本も編集してきた──今年のはじめ、父が亡くなるまでは。 友人であり、モダン・ラブのポッドキャストで司会も務めるアンナ・マーティンに最近、「この連載は私にとって401(k)プラン(米国の年金制度)のようなものなってきた」と冗談を言った。ただしこれは、人生のレッスンにおける「年金」だ。 私はこれまでに、自分のアイデア、スキルと魂をモダン・ラブに注いできたけれど、いまではその見返りをもらっている。ドルではなく、苦労の果ての知恵という形で。早期引き出しによる罰金がないのはいいことだ。 それでは、賢明で勇敢で、寛大なこのコラムの執筆陣への感謝を込めて、私が最も助けられた7つの教訓を紹介しよう。