4年ぶりに京都開催の「きさらぎ賞」。大物を輩出した過去の名レース3選と今年の注目馬を紹介
今年は京都競馬場に戻る「きさらぎ賞」
京都競馬場の改修工事の影響で、中京競馬場で行われていた近年の「きさらぎ賞」。今年は4年ぶりに京都競馬場に戻って開催されます。 ⇒【写真】今年の「きさらぎ賞」の注目馬は 中京競馬場時代は目立った活躍馬が出ていませんでしたが、かつてのきさらぎ賞といえばクラシックへの登竜門。今回の記事では、過去のきさらぎ賞の名レースを振り返りたいと思います。また、今年の注目馬も触れていますので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね!
1998年/スペシャルウィーク伝説はここから始まった!
武豊騎手のお手馬といえば、ディープインパクトやサイレンススズカなど多くの馬がいますが、初めてダービーの称号を手に入れる事となったスペシャルウィークもその1頭。デビューから1倍台を続ける期待馬でしたが、きさらぎ賞は同馬の伝説の幕開けだったのではないかと個人的に考えています。 きさらぎ賞はレースの4~5ハロン目が13.0秒と大きく緩んでおり、展開としては前が有利な流れ。下り坂の上がり4ハロン目からラップが速くなり、上がり4ハロンは48.5秒を記録しました。このレース以前の京都競馬場芝1800mの3歳戦で、走破時計1分51秒3以下かつ上がり4ハロン48.5秒以下を記録したレースは28件しかありません。 この優秀な時計を重賞級のメンバー相手(2着ボールドエンペラーは日本ダービーも2着)に0.6秒差の圧勝。スペシャルウィークの伝説はここから始まったと言っても過言ではありません。
2011年/後の菊花賞上位3頭が参戦のハイレベル戦
このレースはリキサンマックスが逃げる形で、前半3ハロンは35.3秒。ただ、中盤に12秒台のラップを刻んで息を入れており、大逃げの形となっていましたが暴走ペースではなく勝負になる逃げでした。直線でも先頭を走り逃げ切りか? と思われたところ、差してきたがトーセンラーでした。 リキサンマックスが京都競馬場の下り坂を利用して上がり4ハロン目に12.0秒、3ハロン目に11.3秒と一気に加速したことで、直線が平坦の京都競馬場でも上がり1ハロンは12.3秒と時計を要しました。長く脚を使うレース展開となり、このレースで中団から差してきた1着トーセンラー、3着オルフェーヴル、4着ウインバリアシオンが同年の菊花賞で順番こそ違えどワンツースリー。長距離適性を示す見ごたえのあるレースでした。 ちなみに、勝ったトーセンラーは菊花賞3着や天皇賞(春)2着の他に、マイルチャンピオンシップでも勝利するなど京都競馬場で無類の強さを発揮。キャリアの4勝をすべて京都競馬場であげています。また、産駒には6戦中4勝を左回りであげたザダルがいるなど、クセの強い馬でもありました。